2013 Fiscal Year Research-status Report
ニワトリの肉質を支配する量的形質遺伝子座(QTL)の探索-DNA育種のために
Project/Area Number |
25450396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都築 政起 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (70212058)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニワトリ / QTL解析 / 遊離アミノ酸 / 肉色 / 体重 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、増体性に優れ、かつ優れた肉質をもつ優良国産鶏を、ゲノム育種法により正確かつ迅速に作出することにある。この背景には、我が国には国産の高性能肉用鶏がほとんど存在せず、真の鶏肉自給率は2%未満である事実がある。鶏肉はなくてはならないタンパク源である。その自給率を向上させることができれば、国家・国民に貢献できることは明白である。ゲノム育種により優良国産肉用鶏を作出するためには、その準備段階として、Quantitative trait loci (QTL)解析を行って、鶏肉関連形質を支配している遺伝子座を明らかにする必要がある。本研究の直接の目的は、このQTL解析を遂行することにある。 QTL解析を行うためには、親-F1-F2の3世代からなる資源家系が必要である。本研究では、親世代には代表的日本鶏の一つである大シャモと米国由来鶏の白色プリマスロックを用いている。平成25年度は、この2品種ならびに大シャモのオスと白色プリマスロックのメスを交配して得られたF1世代(7週齢個体)に関し、モモ肉、ムネ肉およびササミについて、その重量を計測することはもとより色調(L*, a*, b*値)データを収集した。さらに、これらの筋肉部位における、グルタミン酸をはじめとする18種類の遊離アミノ酸含量ならびに3種類の遊離アミノ酸関連物質(アンセリン、カルノシン、タウリン)含量データを収集した。尚、これらの肉質関連データを得る以前には、その個体の孵化時から7週齢に至るまでの体重データを1週間ごとに採取している。 また、体重および肉質データを採取する一方で、資源家系造成の元になった大シャモのオスと白色プリマスロックのメスを用いて、QTL解析に使用可能なマイクロサテライトDNAマーカーのスクリーニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QTL解析用資源家系の親世代ならびにF1世代について、次に述べる形質データ、すなわち体重データ、筋肉部位3ヶ所の色調データ、ならびに遊離アミノ酸ならびにその関連物質含量データを収集できたこと、ならびに資源家系の親世代におけるマイクロサテライトDNA多型の調査ができたことは、計画通りの進展である。しかしながら、親世代およびF1世代の個体数が、解析に使用可能な必要数は満たしているものの、精密な解析ができる十二分な個体数は満たしていない点、また、これまでに発見できた、QTL解析に使用可能なマイクロサテライトマーカー数が、予定では約100であったのに対し、約70に留まった点において、自己評価を「おおむね」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
資源家系の親世代およびF1世代からの形質データ収集を補完する。さらに、F2世代個体からの形質データ収集を行う。形質データ収集と並行して、QTL解析に使用可能なマイクロサテライトDNAマーカーの探索を継続する。さらに、十分な数のマイクロサテライトDNAマーカーが得られない場合に備え、single nucleotide polymorphism (SNP)マーカーの開発にも着手する。
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Research Products
(1 results)