2015 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンウズラリゾチーム多型の抗菌力の強さと生産形質への効果
Project/Area Number |
25450399
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下桐 猛 鹿児島大学, 農水産獣医学域 農学系, 准教授 (40315403)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | リゾチーム / 家禽 / 抗菌タンパク質 / 変異 / 生理機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニホンウズラの卵白リゾチームにはアミノ酸置換を伴う一塩基多型が存在し、それが抗菌活性や孵化率に影響することが知られている。本研究では、結果の再検証、本多型の他の経済形質への影響、卵白中に含まれる他の抗菌タンパク質での多型が抗菌能力に影響するのかを調査した。 孵化率について、別のニホンウズラ集団を用いて検討した結果、有意差は得られなかったものの、卵白にFF型リゾチームを持つ種卵は、SS型リゾチームを持つ種卵に比べ孵化率が5.2%低く、同様な傾向が得られることを確認した。 その他の経済形質については、6週齢の体重でSS型80.13±8.38g、SF型85.13±10.95gであり、平均卵重はSS型9.60±0.60g、SF型9.37±0.35gであり、育成率はSS型67.2%、SF型72.4%であった。これらを統計解析した結果、全ての形質で遺伝子型間に有意な差は確認できず(P > 0.05)、リゾチームの遺伝子型が孵化率以外の形質に影響を及ぼさない可能性が示唆された。 卵白に含まれる抗菌タンパク質としてオボトランスフェリンがある。ニワトリのオボトランスフェリンにも電気泳動でA、B、Cの3種類の表現型が得られる。それら多型の原因変異の特定とその抗菌活性について調査した。その結果、オボトランスフェリンB型とC型は1か所のアミノ酸変異(Asp500Asn)が原因であることが特定されたが、A型については原因変異が特定できず、翻訳後修飾などの影響による可能性が示唆された。また、抗菌活性については、B型とC型のタンパク質間で有意な差が認められなかった。 以上、ニホンウズラのリゾチームを中心に家禽の抗菌タンパク質の変異とその生産性への影響を評価することができた。
|
Research Products
(9 results)