2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450404
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高橋 透 岩手大学, 農学部, 教授 (20355738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウシ / 胎盤性ラクトジェン / プロラクチン活性 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は子宮組織におけるマトリックスメタロプロティナーゼの活性を胎子胎盤側と母体胎盤側に分けて検討し、胎盤性ラクトジェンの酵素切断に及ぼす影響について検討した。胎盤組織の器官培養上清を用いたゼラチンザイモグラフィ解析の結果、ゼラチナーゼ活性は胎子胎盤側よりも母体胎盤側で高かった。また、母体胎盤組織から分泌されるbPLは、酵素切断がより効率的に生じている事がわかった。これらの成績は、胎盤から分泌されるbPLの免疫活性と生物活性の相関性が胎子胎盤由来bPLと母体胎盤由来bPLで異なり、母体胎盤由来のbPLが生物活性が低く、分子量が正常なサイズとは異なるとする研究担当者の既報の論文と一致していた。27年度に得られた以上の成績から、母体胎盤組織と胎子胎盤組織では共にbPLが分泌されるものの、その後の酵素切断の効率が異なり、この違いが母体側と胎子側の血管新生作用に影響を与えている事が示唆された。 3年間に渡る研究期間の中で、初年度は組換えbPLを胎盤組織の培養上清とインキュベートして抗FLAG抗体でウェスタンブロット解析をしたところ、32kDaの組換えbPLが胎盤培養上清とのインキュベーションによってC末端側が切断されて、25 KDaのN末端断片が生成する事を確認した。二年目は酵素切断によって生じるN末端断片の血管内皮細胞の増殖に及ぼす影響を検討したところ、完全長の組換えbPLは血管内皮細胞の増殖に影響を与えなかったが、C末端側が短縮した組換えbPLは血管内皮細胞の増殖を抑制した。 本研究の結果、bPLは酵素切断によってプロラクチン活性とは全く異なる新規の生物活性が発現し、胎盤の血管新生を抑制的に制御している事が明らかになった。
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[Journal Article] Effects of supplemented sericin on the development, cell number, cryosurvival, and number of lipid droplets in cultured bovine embryos2016
Author(s)
Hosoe M, Inaba Y, Hashiyada Y, Imai K, Kajitani K, Hasegawa Y, Irie M, Teramoto H, Takahashi T, Niimura S.
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Journal Title
Animal Science Journal
Volume: 87
Pages: ***-***
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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