2013 Fiscal Year Research-status Report
日本在来牛および黒毛和種の比較解析による牛白血病感受性・抵抗性遺伝子の同定
Project/Area Number |
25450405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹嶋 伸之輔 独立行政法人理化学研究所, 分子ウイルス学特別研究ユニット, 研究員 (60342812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウシゲノム / リシークエンス / 口之島牛 / 主要組織適合遺伝子複合体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の在来牛のウシMHC(BoLA)の調査を行い、牛白血病感受性/抵抗性ハプロタイプの起源を突き止める事を目的としている。そのために、ウシMHC領域の次世代シークエンサーを用いたリシークエンス法の確立に取り組んだ。研究をはじめるにあたり、黒毛和種の起源であり、日本の唯一の野生種である口之島牛のゲノムDNA、31頭分を入手した。これらのBoLA-DRB3遺伝子のタイピングを行ったところ、31頭中30頭がDRB3*0201ホモ型であり、残る1頭はDRB3*2801ホモ型であった。続いて、これらのサンプルのBoLA領域全長(クラスIIa、クラスIIIおよびクラスI領域、約5M塩基対)をリシークエンスするために、ELOVL5~ZFNまで、(chr23:25747834-30219379/bostau7)の配列をもとにプローブを合成し、Double Capture法にて口之島牛より作成したゲノムライブラリーからMHC領域をキャプチャーした後、MiSeqを用いてシークエンスを行った。得られたシークエンスをbostau7配列とアライメントしたが、クラスII領域の遺伝子配列の不備やアノテーション情報の欠落により、満足な結果を得ることが出来なかった。そこで、本年度は、アノテーション情報の少ないbostau7配列ではなく、現在広く用いられているUMD_3_1/bostau6ゲノム配列情報, BoLAのゲノムクローン配列情報(DQA2;W1およびDQB;Q1とY1)、そしてbostau7では染色体上にマップされていないが、DRB遺伝子を含む配列であると考えられるAAFC03005436および JH122295の塩基配列を基準にプローブを再設計し、BoLA領域のリシークエンス法の確立を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口之島牛のゲノム配列の入手とBoLA-DRB3遺伝子タイピングは順調に進行した。また、次世代シークエンサーを用いたBoLA領域のリシークエンスも8頭の口之島牛を用いて実施され、実験条件が決定された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、BoLA領域のリシークエンス法の確立を目指す。現在設計中のプローブの合成が終わり次第、所有する口之島牛31頭のBoLA領域のリシークエンスに着手する。得られたシークエンスデータの解析法の確立を本年度中に行い、最終年度での、他の品種のBoLA領域の解析とハプロタイプ構成の比較のための基盤を整える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度において予定していたウシゲノムのリシークエンスを、31頭中8頭のみを用いて試験的に行ったところ、プローブの改善が必要となったため、プローブ再合成後に再度シークエンスを行う事とした。そのために初年度の予算の一部を次年度に繰り越した。 現在、プローブの再合成を行っており、合成が終了した後、再度次世代シークエンサーを用いたBoLA領域のリシークエンスを行う。
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[Journal Article] The great diversity of major histocompatibility complex class II genes in Philippine native cattle2014
Author(s)
Takeshima, S.N., Miyasaka, T., Polat, M., Kikuya, M., Matsumoto, Y., Mingala, C.N., Villanueva, M.A., Salces, A.J., Onuma, M. and Aida, Y
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Journal Title
Meta Gene
Volume: 2
Pages: 176-190
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Haplotype determination of the upstream regulatory region and the second exon of the BoLA-DRB3 gene in Holstein cattle2014
Author(s)
Goszczynski, D.E., Ripoli, M.V., Takeshima, S.N., Baltian, L., Aida, Y. and Giovambattista, G
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Journal Title
Tissue Antigens
Volume: 83
Pages: 180-183
DOI
Peer Reviewed
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