2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450406
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
築城 幹典 岩手大学, 農学部, 教授 (10292179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栂村 恭子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (00355108)
井出 保行 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (00414714) [Withdrawn]
平野 清 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (80360452)
秋山 典昭 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, その他 (30414741) [Withdrawn]
渋谷 岳 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10414715)
山田 大吾 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (30391387)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / シバ草地 / 放牧 / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
放牧草地生態系における放射性セシウム(Cs)の土-草-家畜間での動態を解明するために,栃木県北部の未除染のシバ草地1.5haに黒毛和種繁殖雌牛4頭を,2013年から3年間,5月から10月まで連続放牧し,以下の結果を得た。 ①地形面毎の牧草中放射性Cs濃度は,調査年,採取時期に関わらず,斜面下部で高い傾向にあった。斜面下部では尾根や斜面中部より交換性カリ含量が低かったことから,相対的に放射性Csが牧草に吸収されやすかった環境であった考えられた。土壌放射性Cs濃度の垂直分布は,斜面中部と斜面下部で類似し,2013年から2015年にかけては0-2cm深において減少する傾向を示した。 ②シバ草地の植生中放射性セシウム濃度は,放牧開始後,植物の生長に伴い低下したが,夏に高まり秋に低下する季節変化を示した。2013年は平均で600~800Bq/kgDM,2014年は400~1200 Bq/kgDM,2015年は400~600Bq/kgDMと2015年は低い値となった。 ③糞尿中の放射性Cs濃度は放牧開始後,急激に上昇した。糞中放射性Cs濃度は植生中の濃度が高まる夏から秋に濃度が高い傾向があったが,尿中濃度には明らかな上昇は見られなかった。牛肉の放射性セシウム濃度は,首肉に比べて,もも肉で高い傾向があり,経年的に減少する傾向があった。 ④シバ型放牧草地におけるRCs動態モデルについて検討した。モデルのシミュレーション結果は,2011年は実測値に近いものの,2012年以降は実測地よりも低くなる傾向が見られた。牛体中137Cs濃度は,放牧終了後に屠殺して計測するため放牧終了時にしか実測値がないが,シミュレーション結果と近い傾向にある。
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