2015 Fiscal Year Annual Research Report
食糧資源としての野生動物肉の特性解明と食肉製品への利用
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25450411
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
坂田 亮一 麻布大学, 獣医学部, 教授 (10153892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 昇臣 日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00180125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シカ肉 / イノシシ肉 / 食肉加工 / 脂質酸化 / 天然由来抗酸化剤 / 落花生 / DPPHラジカル消去活性 / 血絞り |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】近年、国内の野生シカによる農林業被害が急増しており、その対策で食肉利用が検討されている。シカ肉は高タンパク低カロリーという特徴があるが、不飽和脂肪酸やヘム鉄の含有量も豊富なことから脂質酸化が進み易いと考えられている。この脂質酸化を抑制する抗酸化剤として、消費者は天然由来物質を求める傾向にある。本研究では、これまでの血絞りや保湿剤使用による加工技術の改良に加え、抗酸化物質を豊富に含む天然物質として落花生に着目し、シカ肉における脂質酸化抑制効果を検討した。 【実験方法】実験1:落花生粉末の抗酸化力をDPPHラジカル消去活性法を用いて評価した。実験2:脂肪や赤肉の脂質酸化に対してどの程度効果を発揮するかについて調べるため豚背脂肪、シカモモ挽肉、シカ肉モデル製品を用いて無添加区、落花生粉末1%添加区、NaAsA0.1%添加区を作製しTBARS値を測定した。また、シカ肉の脂質酸化に対する落花生粉末の有効量も調べるため、落花生粉末濃度を0.1%、0.5%、1%、5%でTBARS値を測定した。実験3:落花生粉末の色や風味が製品に悪影響を与えないかを検証するために官能評価を行った。モデルソーセージは無添加区(A)と落花生粉末1%(B)、5%(C)添加区の3つを用意した。評価方法はNewell & MacFarlaneの検定表を利用し、評価項目は色、香り、味、食感の4項目をブラインド試験により実施した。 【実験結果】実験1より、落花生に抗酸化力が認められ、落花生粉末1gはトロロックス950µM相当だった。実験2より、落花生粉末はシカ肉の脂質酸化抑制に有効と考えられ、有効添加濃度は1.0%であった。実験3より、シカ肉製品に落花生粉末を添加した際の風味への悪影響は認められなかった。
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Remarks |
国際食品工業展2015 FOOMA JAPAN アカデミックプラザで研究発表し受賞 https://www.foomajapan.jp/2015/academic/award.html アグリビジネス創出フェア2015で研究発表 http://agribiz-fair.jp/ (いずれも食肉の赤色化に関するリサーチ)
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