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2014 Fiscal Year Research-status Report

葉酸代謝拮抗剤methotrexateによる胎盤毒性の発現機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25450423
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

杉山 晶彦  鳥取大学, 農学部, 准教授 (00432609)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords葉酸代謝拮抗剤 / 胎盤毒性 / 酸化障害 / 細胞死
Outline of Annual Research Achievements

酸化ストレスに着眼した葉酸代謝拮抗剤Methotrexate(MTX)が胎盤に及ぼす毒性発現機構の解明
平成26年度は、妊娠11, 12日におけるMTX曝露によって誘発された胎盤基底層の細胞死の病理発生機序に酸化ストレスおよびJNK(c-Jun N-terminal kinase)pathway活性化が関与しているか否かを明らかにするための解析を免疫組織化学的手法、Western blot法を用いて実施したところ、下記の結果を得た。(1)MTX曝露によって誘発された胎盤基底層では、蛋白質の酸化修飾物であるdityrosine発現細胞存在率、不飽和脂肪酸の酸化修飾物であるhexanoyl-lysine発現細胞およびAcrolein発現細胞存在率が有意に増加した。両因子発現細胞の有意な増加はTUNEL陽性細胞の有意な増加に先立って認められた。(2)MTX曝露によって誘発された胎盤基底層では、JNK関連因子であるJNK1発現細胞、JNK2発現細胞、リン酸化JNK蛋白発現細胞の存在率が有意に増加した。JNK1, JNK2, リン酸化JNK蛋白発現細胞の有意な増加はTUNEL陽性細胞の有意な増加に先立って認められた。
以上の結果より、妊娠11, 12日におけるMTX曝露によって誘発された胎盤基底層の細胞死の病理発生機序には蛋白質の酸化障害、不飽和脂肪酸の酸化障害およびJNK(c-Jun N-terminal kinase)pathway活性化が大きく関与していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、葉酸代謝拮抗剤メトトレキサートの胎盤毒性の発現機構を解明することにより、メトトレキサートの胎児への有害作用機序における胎盤毒性の意義を明らかにし、メトトレキサートを用いた医療の安全性をより向上させることにある。交付申請書には研究期間内に明らかにする事項として4項目を挙げたが、現時点において、そのうちの二つである(1)アポトーシスおよび細胞周期停止に着眼したメトトレキサートの胎盤毒性発現機構、(2)酸化ストレスに着眼したメトトレキサートの胎盤毒性機構の二つを解明することができているため、「おおむね順調に進展している」という判断に至った。

Strategy for Future Research Activity

今後は下記の二項目に関する事項に関して研究を進める。
(1)妊娠11,12日の胎盤基底層がメトトレキサートに高感受性を示した理由の解明.
妊娠11,12日の胎盤基底層はメトトレキサートに高感受性を示したが、当該現象は当該時期における胎盤基底層の葉酸代謝がより活発であることを示唆している。当該時期の胎盤基底層における葉酸代謝酵素を定量することにより葉酸代謝がより活発に起こっているかを明らかにする。
(2)胎盤基底層低形成と胎児致死率上昇の関連の解明
胎盤基底層の構成細胞はプロラクチン様ホルモンを産生し、黄体からのプロジェステロン分泌を促すことにより、妊娠を維持する機能を有する。妊娠11-12日におけるMTX曝露により誘発された胎児致死率の上昇は胎盤基底層の低形成によって二次的にプロジェステロン分泌が抑制されたことに関連している可能性が示唆される。本研究では、①基底層組織内および血中プロラクチン様ホルモン蛋白およびm-RNAの定量、②黄体組織内および血中プロジェステロン蛋白およびそのm-RNAの定量を実施することにより、胎盤基底層の低形成および胎児致死率との関連を明らかにする。

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Published: 2016-05-27  

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