2015 Fiscal Year Annual Research Report
エキノコックス感染初期(虫卵から多胞化嚢胞)における遺伝子発現の推移
Project/Area Number |
25450425
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥 祐三郎 鳥取大学, 農学部, 教授 (60133716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 欣平 北海道立衛生研究所, 感染症部, 部長 (70414323)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 寄生虫 / 感染防御 / ワクチン開発 / トランスクリプトーム解析 / 次世代シーケンサー / 抗原解析 / 中間宿主 |
Outline of Annual Research Achievements |
多包条虫症は国内おいても重要な人獣共通寄生虫であり、人では虫卵の経口摂取後肝臓に寄生した幼虫が無性増殖することにより重篤な疾病を引き起こす。この虫卵から感染初期の幼虫に関する研究は遅れており、今回の研究ではこの時期の寄生虫のトランスクリプトームを解析することである。今年度は、前年度から引き続き様々な分子に関しての解析を続けるとともに、以下のように幼虫のapomucinについて調べた。 エキノコックスの幼虫周囲はlaminated layer (LL) が取り囲み、これが幼虫と宿主のインターフェイスである。この主成分は糖タンパクであり、これらの分子の機能が注目されている。多包条虫の培養微小嚢胞の結果からLLに発現する分子、特にapomucinについてin silico 解析した。有鉤嚢虫の論文からGP50が主要なLLの糖タンパクと予想したが、意外なことにエキノコックスでは虫卵や成虫では多く発現したが、幼虫における発現量は少なかった。一方、単包条虫の研究ではLLについて他の糖蛋白が注目されており、いくつかのapomucinが候補と考えられている。我々はこれらのapomucinの相同性検索から、多包条虫におけるapomucinを解析した。さらに、機能解析のためにRNA干渉を試みた。我々はこれまで原頭節(LLが無い)を用いたRNA干渉については確立してきたが、今回は培養嚢胞(LLがある)を用いて検討した。様々な大きさの培養嚢胞を作成し、浸漬法の様々な条件設定で行い、そのsiRNAの取り込みを確認しようとしたが、残念ながら全く成功しなかった。今後はエレクトロボレーションの様々な条件設定行う必要があると思われた。
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Research Products
(3 results)