2013 Fiscal Year Research-status Report
ウイルス性神経疾患に影響を及ぼす宿主要因と環境要因
Project/Area Number |
25450433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
西野 佳以 京都産業大学, 総合生命科学部, 准教授 (00271544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 敏之 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10162215)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウイルス / ボルナ病ウイルス / ストレス / 脳神経疾患 / TGF-β / 副腎皮質ホルモン / 宿主要因 / 環境要因 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ボルナ病発症における環境要因(ストレス反応性内分泌分子:副腎皮質ホルモン)、および宿主要因(傍分泌分子:TGF-β)の影響に着目し、それらの作用機序を明らかにすること、さらに、増悪因子となる宿主要因を網羅的に探索し、未知の発症要因を同定することである。平成25年度の研究の目的は、これらの研究を進めるにあたり、1.BDV感染ラット脳内遺伝子の網羅的な解析により新規の宿主要因を検索すること、2.脳における傍分泌分子であるTGF-βファミリー関連遺伝子発現量を感染細胞において継時的に比較解析すること(宿主要因に関する検討)、および3.BDV持続感染細胞における副腎皮質ホルモン添加による影響を調べることが柱であった。これらのうち、課題1は動物施設の予期せぬ事情により検討できなかったので、次年度の課題としたい。課題2については、ラットグリオーマ由来株化細胞であるC6細胞とBDVが持続感染したC6BV細胞におけるTGF-βファミリー関連遺伝子の発現の比較を行った。現在解析途中であるが、現時点でTGF-β1およびBmp2の遺伝子発現に有意な差が認められており、興味深い展開になっている。また、マウス大脳皮質初代神経細胞におけるBDV感染によるTGF-βファミリー関連遺伝子発現量についても、解析を始めたが、TGF-β1遺伝子発現の変化は認められなかった。課題3については、C6細胞およびC6BV細胞を用いて副腎皮質ホルモン添加の影響を解析した。両細胞において、添加による形態的変化並びに細胞増殖速度や生死関わる変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3課題を計画していたが、そのうち1課題(BDV感染ラット脳内遺伝子の網羅的な解析により新規の宿主要因を検索すること)については、動物感染実験室の利用可能な期間と申請者らの実験可能な期間が一致しなかったことにより検討できなかった。一方、次年度検討する予定であった、マウス初代神経細胞を用いた解析はすでに始めている。従って、進捗はやや遅れている程度と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、H25年度の課題で実施できなかった、BDV感染ラット脳内遺伝子の網羅的な解析に着手したい。また、課題2の継続として、C6BV細胞および初代神経細胞におけるTGF-βファミリー関連遺伝子発現量の違いについてさらに検討を進めたい。課題3の継続としては、副腎皮質ホルモン存在下におけるBDV感染の有無と細胞毒性を持つイオンの蓄積・喪失の検出、ウイルス産生量の変化について解析したい。
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Research Products
(2 results)