2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450452
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加納 塁 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00318388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一由 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (30339296)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | プロトテカ / 牛乳房炎 / 抗体価 / 早期診断 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
葉緑素不含藻類であるプロトテカ属で、牛舎環境周辺に腐生性に存在するPrototheca zopfiiは、牛乳房炎の原因藻類であり、乳量の減少、白色の凝固物を含んだ希薄な乳汁の分泌を引き起こす。プロトテカは藻類であるので、一般的に使用されている人薬や動物薬で特異的に作用する薬剤は存在しない。そのため効果的な治療法が無く、乳汁中にプロトセカを排出している感染牛の隔離・淘汰しか対策が無いのが現状である。一度牛舎内で発生すると、酪農家にとって経済的損失が大きい疾患である。 感染被害が拡大する前に、プロトテカ乳房炎の早期診断が必要であるが、従来の診断法は乳汁からの直接分離同定しかなく、同定するまでの時間がかかることや、特殊穴な分離技術が必要であることから、早期診断が難しいのが現状である。 そこで新たな診断法の確立を目的として、特異的抗プロトテカ抗体価測定用ELISA法を作成し、プロトテカ乳房炎牛および非乳房炎牛の抗体価の測定を行った。さらにプロトテカから作成した粗抗原を作成し、それを非感染牛へ投与し、抗体価の推移も調べた。その結果、本ELISA法は、プロトテカ乳房炎牛で特異的に抗体価が高く、また非感染牛へ抗原を投与すると、抗体価の上昇が認められることから、プロトテカ乳房炎の診断に有効であることが確認された。ELISA法は、家畜保健所やコマーシャルラボなどでも行える手法であり、分離同定よりも簡易に行えることから、本疾患の防除に役立つものと考える。
|
Research Products
(4 results)