2015 Fiscal Year Annual Research Report
線虫感染防御応答の初期ステージに関与する細胞の役割とその連携機構の解明
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25450469
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
森本 素子 宮城大学, 食産業学部, 教授 (30250301)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サイトカイン / メモリー応答 / 自然リンパ球 / 寄生虫 / 小腸 / 腸間膜リンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
げっ歯類の消化管寄生線虫であるHeligmosomoides polygyrusは、初感染では持続感染となるが、薬剤にて虫を排除したのち再感染させると、迅速で強力な2型免疫応答が起こって虫が排除される。最終年度は、この再感染モデルを作成してサイトカイン遺伝子の発現と小腸粘膜下に集積する細胞群のフェノタイプについて調べた。その結果、腸間膜リンパ節において、初感染時には感染4日目以降に見られたIL-4およびIL-13の発現上昇は、再感染時には2日目に確認され、初感染時よりもTh2の活性化が早く始まっていることが示唆された。また、再感染時は感染4日後にはすでに多数のCD4陽性細胞が小腸粘膜下に集積しており、メモリー応答ではTh2が感染直後の初期ステージから主要な役割を果たしている可能性が考えられた。 また、本研究では昨年度までに初感染時の応答については解析を終えていたが、線虫感染の初期ステージに重要とされる自然リンパ球はIFNγによりその作用が抑制されるという報告があったため、初回感染のゼロ日から8日目までの小腸組織におけるIFNγの発現を調べたところ、興味深いことに感染2日目から4日目に非常に強い発現が見られ、その後急速に減少し、5日目から8日目には非感染レベルに減少することがわかった。したがって、初回感染の初期ステージではまず自然リンパ球が活性化して2型サイトカインを大量に産生するが、感染2日目以降に増大するIFNγによりその活性が抑制され、続いてTh2の活性化が始まる可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)