2013 Fiscal Year Research-status Report
画像スキャニングシステム・バイオロギングを用いた野生動物の生態解明
Project/Area Number |
25450477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森光 由樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20453160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 大介 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (30435896)
室山 泰之 東洋大学, 経営学部, 教授 (70314242)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオロギング / 画像情報システム / 野生動物 / GPS発信器 / ツキノワグマ / ニホンザル / ニホンジカ / バイオテレメトリー |
Research Abstract |
野生動物は人間を忌避することが多く、特に森林に生息する動物の場合、見通しが悪いため、直接観察法で得られる情報は限られていた。そこで報告者は、野生動物に搭載可能な超小型カメラの開発を行い、その成果について報告してきた(森光ら2011年,森光2012年、森光2012年)。収集されるデータは、動物の目線から得られる映像情報である。採食物の種類や量、個体間の関係など多くの生態学的情報が読み取れるものと期待できる。開発した動物装着用の超小型カメラは、動物への負担が少なく優れた映像データを収集することを可能にした。これまで、夜間の映像収集は困難だったが、小型赤外線IR LEDをカメラに搭載することで撮影が可能となった。また、連続撮影を行う上で問題であった、バッテリーの容量不足を補うために、バックアップ電源の装着、動体検知モードを用いて、媒体容量と節電が可能な装置を開発した。最大で1ヶ月間、撮影できるカメラを開発した。今年度は、野生ツキノワグマ及び野生ニホンザルを捕獲し、首下に超小型カメラと超小型リアルタイムGPS、電波発信器を取り付け放獣した。装置の脱落は首輪に溶解性の糸を用いて縫合し自然脱落するようにした。ツキノワグマの場合、撮影スケジュールは、スキャニング法を用いた。夕方6時から翌朝6時の12時間を30分間隔で5分間撮影させた。1週間の撮影時間に設定した。その結果,採食物は、7種が確認できた。ニホンザルでは、撮影スケジュールは、朝6時から夕方6時の12時間を30分間隔で5分間撮影させた。クマと同じく1週間の撮影に設定した。その結果、生息環境、採食物、個体間の関係について分析可能なデータを収集することができた。採食物は、6種が確認できた。今後は、カメラの感度、レンズの種類や、LED照射量と解析可能な画質との関係を整理し、引き続き、機器の開発を続けながら、対象動物の生態について研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装着するバイオロギング・ビデオカメラを量産することができ、野生ツキノワグマ、野生ニホンザルに予定通り装着し、映像記録データの回収とデータの分析ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、引き続き、開発したバイオロギング・ビデオカメラを野生ツキノワグマおよびニホンザルに装着し、実際の映像記録を分析する予定である。さらに、映像が明確になるよう、レンズの選択やレンズホールのカバーに用いている、ガラスコーティングの素材について検討し、精度の高いデータの収集に努める予定である。
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