2014 Fiscal Year Research-status Report
新規キビ亜科モデル植物アワにおけるSSRマーカー開発・マッピング・野生集団解析
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25450501
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
福永 健二 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (50435533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 敬義 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (80363969)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アワ / SSR / Setaria italica / エノコログサ / 多型 / DNAマーカー / 連鎖地図 / 遺伝資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発したマーカーに加えて、本研究では合計148のSSRマーカーを開発した。このうち72マーカーについて多型が認められ、そのうち34のマーカーについてはF2集団を用いて連鎖地図上にマッピングを行った。これまでの結果とあわせて、88のマーカー(うち82がSSRマーカー)からなる、9本の連鎖群1279.1cMの連鎖地図を作成することができた。また、これまで開発したSSRマーカーから40マーカーを選び出し、世界中のアワ17品種とエノコログサ3系統について多型の有無を調査したところ、2つを除く38マーカーで何らかの多型がえられ、このうち両親で多型があったマーカー、なかったマーカーの多型指数はそれぞれ0~0.855、0.32~0.915であり、平均多様性指数はそれぞれ0.408、0.686であった。このことからSSRマーカーは多型性が高く、様々な組合わせにおいてマッピングに利用可能であることが明らかとなった。 また、次世代シークエンサーを用いて、マッピング集団の片親である台湾品種について全ゲノムを解読し、基準品種Yugu1と比較し、見出されたindelのマーカー化を試みたところ、ゲノム網羅的にマーカーを作成しうることがわかった。SSRとあわせて組換え近交系(RILs)に応用していきたい。これ以外にも、近縁品種間で、遺伝子の座乗位置の確認にSSRマーカーが利用可能であることも確認された。 また、分担者は、2年間にわたり海岸に生息しているハマエノコロ集団のサンプリングを行った。あわせてエノコログサ集団もサンプリングしている。内訳はハマエノコロ14集団、エノコログサ12集団となっている。現在、SSRマーカーの増幅の可否と多型の有無について確認しつつ、栽培・増殖の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノムワイドなSSRマーカーのみで連鎖地図を作成するという当初の目的は達成できたたため。また、マッピング集団以外の両親組合せ間でも多型があることが確認され、なおかつ、近縁品種間でのマッピングにも利用できることが明らかになり、マーカー作出と連鎖解析への応用についてはおおむね順調である。また、Genome-wide Indel Markerも開発できている。ハマエノコロも順調に集団の収集ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在組換え近交系(RILs)を展開しつつあり、これについてまずGenome-wide Indel markerで連鎖地図を作成中である。これにSSRマーカーを加えていき、QTLに利用可能な形に持っていきたい。ハマエノコロ集団については、SSRマーカーをスクリーニング中であり、スクリーニングしたSSRマーカーを用いて多様性の解析を行うとともに、特性調査を行っていく予定となっている。
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Causes of Carryover |
試薬など、保存がきかないものなどを次年度に回した。また、旅費なども調査が予定よりも近いところを先に調査したために次年度に回すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬などの消耗品を購入するとともに、調査旅費にあてる。
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Research Products
(3 results)