2014 Fiscal Year Research-status Report
コスモポリタン真菌種からの生分解性プラスチック分解菌の探索と分解機構の解明
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25450502
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
小板橋 基夫 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (10355662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 重信 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (90354125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物環境 / 廃棄物対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に札幌市,つくば市,小笠原諸島,南大東島などの様々な地域の,真菌による汚染が知られている窓枠や冷蔵庫のパッキン部分から真菌を採取し,申請者が開発した生プラエマルジョンを唯一の炭素源とする分解菌選抜培地により,108菌株の生プラ分解能を有する真菌が分類された. 26年度は分離菌の同定と二次選抜として,エマルジョンより難分解のポリブチレンサクシネート/アジペート(PBSA)のフィルムの分解能を有する菌株の選抜を行った.分解菌について,その形態やITS1-5.8S rDNA領域の配列解析により同定したところ, Cladosporium属菌46株,Fusarium属菌7株,Penicillium属菌とPhoma属菌が各5株と比較的多く分離された.また,培地上でフィルム状のPBSAを分解したのは,これら菌のうち,窓枠分離菌21菌株,冷蔵庫分離菌8菌株で,特に分解能が高かったのは,つくば市の冷蔵庫分離菌Alternaria alternata,つくば市の窓枠分離菌Phoma sp.,札幌市の窓枠分離菌Aspergillus sp.で,フィルムを面積率でそれぞれ92.8%,87.5%,89%分解した. 冷涼な気候や亜熱帯のような地理的条件に関わらず,日本各地から生プラ分解菌が分離されることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初掲げた26年度の計画のメインは「生プラ分解能を有する真菌の系統分類を進める.さらに,二次選抜で強力な分解菌を選択する」ことであり,29株の難分解であるPBSAフィルム分解菌を選抜できたことから,26年度の研究目的は着実に達成されたと判断される.そのため,今後もこれらの豊富な分解菌を利用して研究の深化が行われる見込みであり,順調な研究推進が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,生プラ分解酵素の遺伝子やアミノ酸配列等を明らかにするため,培養液中に高活性の酵素を生産させる条件を検討する.
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Causes of Carryover |
生プラ分解菌が400菌株以上分離されたため,遺伝子解析等に多くの実験作業が必要になるため外部委託等を行うための費用として使用する.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
培養菌体からDNAを抽出して,各種プライマ―により複数の遺伝子配列を決定し、系統的分類のための系統樹の作成等を行って,分解菌の分類学的位置づけを考察する予定である.
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Research Products
(2 results)