2014 Fiscal Year Research-status Report
哺乳類精巣リボソームの構造不均一性がもたらす新規翻訳制御メカニズムの包括的解明
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25450514
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
灘野 大太 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00228074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質合成の場としてのリボソームの重要性を反映して、リボソームタンパク質のほとんどは普遍的に発現しており、また進化的に高度に保存されている。その一方、我々は哺乳類において数種類のリボソームタンパク質のパラログのmRNAが組織特異的に発現することを示し、プロテオミクス的手法によるげっ歯類リボソームの網羅的解析を行い、精巣特異的に発現するタンパク質がリボソームに含まれることなど、組織や細胞内環境によってリボソームの構成因子の一部が変化するリボソームの構造不均一性の存在を示した。より包括的なリボソーム不均一性因子の把握を目指してさらなる解析を進めた。同定された不均一性候補因子の機能に結びつく情報を得るために同因子の細胞内局在を蛍光抗体法および蛍光タンパク質標識によって観察したところ、核小体に局在するものがあること、また核内の継時的な観察からその局在が核小体を含め動的に変動することを示唆する知見が得られた。哺乳類の細胞質リボソームには、4種類のリボソームRNAに加えて、約80種類のリボソームタンパク質が含まれている。核小体はリボソーム生合成の場として知られており、細胞質で新規合成された多くのリボソームタンパク質が核小体に移行し、核小体において転写合成されたリボソームRNA前駆体に結合することでリボソーム前駆体が形成される(その後核外に輸送されて細胞質において成熟リボソームとして翻訳に関与する)。したがって翻訳制御にかかわるリボソーム不均一性因子としての解明が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり2年目のリボソームの構造不均一性を担う因子の同定および解析が進んだことから。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでおおむね順調に推移していることから、最終年度としてリボソーム不均一性因子の解明を遂行する。
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Causes of Carryover |
上記記載のとおり、2年目までの研究が当初の研究計画に沿っておおむね順調に実行され、当初想定された困難局面を含めた予定と使用額に違いが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度として、当初研究計画分を含めて目標の達成を目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Lyar, a cell growth-regulating zinc finger protein, was identified to be associated with cytoplasmic ribosomes in male germ and cancer cells.2014
Author(s)
Yonezawa, K., Sugihara, Y., Oshima, K., Matsuda, T., and Nadano, D.
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Journal Title
Mol. Cell. Biochem.
Volume: 395
Pages: 221-229
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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