2014 Fiscal Year Research-status Report
植物ポリアミン輸送体のストレス応答における機能と生理的役割
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25450522
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| Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
藤田 美紀 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (70332294)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ポリアミン輸送 / パラコート / トランスポーター / ストレス耐性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが先行研究において発見した植物ポリアミントランスポーターについて詳細な解析を行い、植物におけるポリアミン輸送の分子メカニズムと生理機能を明らかにすることを目的とする。
本年度は、先に見出したシロイヌナズナのポリアミントランスポーターRMV1/LAT1の相同遺伝子LATファミリーについて、遺伝子欠失変異体を作製し、その表現型解析を行った。通常生育条件下では、いずれの変異体も顕著な形態的変化は観察されなかった。はじめに、ポリアミンと輸送競合することが明らかとなっているパラコートに対する応答を比較した結果、既に申請者らがパラコート耐性を明らかにしたlat1に加え、lat4もパラコートに対する耐性を示した。各変異体のパラコート取り込み活性を比較した結果、パラコート取り込みの低下しているlat1変異体とは異なり、lat4変異体は野生型と同様のパラコート取り込み活性を示した。前年度の解析から、LAT4はゴルジ体に局在することから、lat4変異体では細胞内でのパラコート輸送が阻害されるためにパラコート耐性が起こることが示唆された。
次に、lat欠失変異体のポリアミンに対する応答およびポリアミン取り込み活性を比較した結果、LAT1以外のファミリー遺伝子が細胞外からのポリアミン取り込みに大きく寄与していることが明らかになった。さらに、lat欠失変異体の環境ストレス応答を比較し、いくつかの変異体においてストレス感受性を示すことを見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、latファミリーの欠室変異体を用いてパラコート耐性やポリアミン応答、および環境ストレス耐性を比較し、各遺伝子の機能分担に関する知見を得ることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在までに、LATファミリーの発現､局在に関する解析が完了し、欠失変異体の表現型に関してもデータが揃いつつあるため、これらを論文にまとめて報告すると共に、変異体の表現型に関わる分子メカニズムに関して更に解析を深めていく。
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| Causes of Carryover |
昨年度、酵母の取り込み実験の再構築を行ったが、十分な改善が得られず、代わりに変異体を用いた表現型解析に重点をおいて研究を進めたため、予定していた標識化合物等の購入を行わなかったために残額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
LATファミリーの過剰発現体を用いたポリアミンの取り込み試験に加え、さらに、予備試験の結果からLATファミリータンパク質が新規の基質の取り込みに関与する可能性が見出されたことから、新規基質に対する応答および取り込み活性の解析を行うための試薬および機器を購入する。
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