2014 Fiscal Year Research-status Report
特異な多環式含窒素生物活性天然物のワンポットカスケード反応による全合成研究
Project/Area Number |
25460020
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
砂塚 敏明 北里大学, 感染制御科学府, 教授 (30226592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多環式含窒素化合物 / インドール / 生理活性天然物 / 特異構造 / 抗マラリア活性 / カスケード反応 / 抗トリパノソーマ活性 / グラムスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
北里研究所において、微生物代謝産物から新規で特異な構造を有するインドールアルカロイド(多環式含窒素化合物)であるネオキサリンはインドールのスピロアミナール構造を有している。そして、チューブリン重合阻害により特異的に細胞周期阻害作用を示し、さらに最近、熱帯病のトリパノソーマにも効果を示すが、微生物による生産は極めて微量である。そこでネオキサリンを標的化合物として効率的で実用的なグラムスケール合成可能でカスケード反応を鍵反応とした新規分子骨格構築法を開発するとともに類縁化合物の合成を行った。 当該年度は、ネオキサリンを合成する鍵反応の一つとしてアルデヒドとイソシアニドのα付加反応に着目し、独自の仮説に基づき本反応を触媒する有機分子を精査した結果、3,5,6-トリフルオロ-2-ピリドンが本反応を触媒することを初めて見出した。開発した本反応と、3a-ヒドロキシフロインドリンの不斉を利用したリバースプレニル基の立体選択的導入、適した位置に窒素原子を有するインドリンのニトロンへの酸化を経由したインドリンスピロアミナール骨格構築およびイミダゾールを利用したE選択的なデヒドロヒスチジンの構築を鍵にネオキサリンの初の全合成を達成した。さらに、本合成経路を基に類縁天然物であるメリアグリンA、グランジコリンAおよびオキサリンの初の全合成を達成した。さらに、合成したネオキサリン類および、その合成中間体の抗感染症活性を調べたところ、合成中間体がアフリカ睡眠病の起因寄生虫であるトリパノソーマに対し、殺原虫活性を示すことを初めて明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鍵反応である、ヒロドロキアミドの合成では、独自に理論に基づき、イソシアニドとアルデヒドのα-付加反応を触媒する有機分子を精査した結果、3,5,6-トリフルオロ-2-ピリドンが本反応を触媒することを初めて見出した。これにより、前例のない有機分子触媒を用いたα-ヒドロキシアミドの不斉合成法開発の土台が出来た。さらに、本手法を用いて特異な構造を有するネオキサリン類を合成できたため、構造活性相関研究の推進が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、確立した分子骨格構築法を活用して、インドールスピロアミナール構造を有する類縁体ならびに様々な誘導体を合成し、より高活性な化合物を創製する。
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Research Products
(7 results)