2014 Fiscal Year Research-status Report
生体関連化合物に対する新規分子インプリント法の開発と応用
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25460050
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
萩中 淳 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (20164759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子インプリントポリマー / 生体分子 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子インプリントポリマー(MIP)は人工抗体ともよばれ、標的分子(テンプレート分子)に対して高い分子認識能を有している。そこで、ペプチドあるいはオリゴ糖に対するMIPを調製し、タンパク質、多糖および複合糖質の部分構造を認識することにより、これらを特異的に認識するMIPの調製を検討した。まず、アミノ酸およびペプチドあるいは単糖およびオリゴ糖(テンプレート分子)を少量の水、メタノール、ジメチルスルホキサイド等の親水性溶媒(溶解用溶媒)に溶解し、機能性モノマー、架橋剤、重合開始剤を水と混ざり合う有機溶媒(アセトニトリルなど)および水と混ざり合わない有機溶媒(トルエンなど)の混合溶媒に溶解し、重合を検討した。さらに、上記のテンプレート分子に対して有用な機能性モノマーおよび架橋剤の検討、これらモノマーおよび重合開始剤の種類と量、混合溶媒系の種類と量の検討を行うことにより、親水性の生体関連化合物に対するMIPの調製法の開発を検討した。 ①アミノ酸およびペプチドに対するMIPの調製法の最適化:ジペプチドおよびトリペプチドに対するMIPを、選択された溶解用溶媒、機能性モノマー、架橋剤、重合開始剤および混合溶媒を用いて調製した。さらに、得られたMIPをHPLCカラムに充填し、その特異性をHPLCにより評価し、条件の最適化を行った。MIPの特異性(分子認識能)は、テンプレート分子を用いないで同様に調製したnon-imprinted polymer (NIP)との認識能の比較により行った。 ②単糖およびオリゴ糖に対するMIPの調製法の最適化:二糖および三糖に対するMIPを調製し、①と同様の手法で最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度は、アミノ酸および単糖に対する粒子径の揃った(粒子径単分散)MIPの調製法を開発することができたが、高い分子認識能を有するMIPが調製できなかった。そこで、今年度はジペプチドおよびトリペプチドに対するMIPの調製を検討し、調製法の最適化を行った。さらに、二糖および三糖に対するMIPの調製を検討し、調製法の最適化を行った。しかし、これらのテンプレート分子に対して高い分子認識能を有するMIPを調製することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
アミノ酸およびペプチドあるいは単糖およびオリゴ糖に対するMIPの調製を目指して研究を展開しているが、アミノ酸、ジペプチドおよびトリペプチドあるいは単糖、二糖および三糖に対して、高い分子認識能を有するMIPの調製が達成されていない。今後、鎖長の幾分長いオリゴペプチドおよびオリゴ糖に対するMIPの調製および得られたMIPの分子認識能の評価を検討する。また、2つ以上の機能性モノマーを用いたペプチドおよびオリゴ糖に対するMIPの調製も検討する。
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Research Products
(5 results)