2015 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症マウスモデルの脳発達遅滞および記憶学習障害の分子基盤解明と炎症亢進
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25460077
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石原 慶一 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (80340446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダウン症 / 炎症 / 胎仔脳 / 脳発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症モデルTs1Cjeマウスの胎仔脳において炎症関連遺伝子の発現増加を見出したことから,その原因候補遺伝子の検索,および炎症亢進の病態生理学的意義の解明を目指している。昨年から引き続きTs1Cje胎仔脳での炎症性細胞数の定量解析を行っており,いくつかの炎症関連細胞の数がTs1Cjeマウスおよび野生型マウス間で異なることを見出した。さらに,炎症関連遺伝子の発現増加の原因候補トリソミー遺伝子としてEts2を想定し,Ets2遺伝子のみが正常コピー数となったTs1Cje-Ets2+/+/-マウスを作出し,胎仔脳での炎症関連遺伝子の発現について検討したが,Ts1Cje-Ets2+/+/-マウスでも炎症関連遺伝子の発現上昇がみられたことから本遺伝子のトリソミーが原因では無いことが分かった。現在,他の遺伝子に焦点を当てて解析を行っている。また,成体3ヶ月齢野生型とTs1Cjeマウスの海馬で発現している転写産物をDNAチップを用いて比較し,異常発現遺伝子を同定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダウン症モデルマウスの胎仔脳での炎症関連細胞の異常分布および炎症遺伝子発現亢進の原因候補トリソミー遺伝子の1つを解析完了させ,さらにTs1Cjeマウスの成体脳海馬で発現量が野生型に比し異常の転写産物をDNAアレイ解析によって同定できたことから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きTs1Cjeマウス胎仔脳での炎症関連遺伝子増加の原因遺伝子の同定を行う。Ts1Cjeマウス胎仔脳での炎症性関連細胞の分布についても検討を行っていく。また,DNAチップにより解析したTs1Cjeマウスの胎仔期と成体期脳での発現異常が見られる転写産物の解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
サンプルの輸送料が航空費を含むため見積もりより実際の費用が異なったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度合わせて使用する。
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Research Products
(4 results)