2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25460084
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 部長 (00198011)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Apollon / UBCドメイン / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
Apollonは分子量530Kの巨大なタンパク質で、細胞死及び細胞周期を制御する事がわかっている。昨年度までの研究で、細胞周期制御に関してはM期におけるCyclin A分解を制御する事を明らかにしたが、Cyclin Aのユビキチン化におけるApollon UBCドメインの機能についてははっきりしない点がある。そこでApollon UBCドメインの活性中心のシステイン残基をアラニンに置換したにノックインマウスを作製し、その表現型を解析した。その結果、Apollon UBC変異をヘテロに持つマウスには異常が認められないが、UBC変異をホモに持つマウスは胎生15日前後から死亡する例が見られはじめ、出生前に約半数が死亡してしまうこと、残りの半分は生後直ぐに死亡する事がわかった。妊娠後期の胎児と胎盤を解析した結果、Apollon UBC変異マウスの胎児は小さく、特に胎生18日まで生存した胎児では野生型と比べて20-30%低体重であることがわかった。また血管形成に異常を示す胎児や、浮腫等が認められる例のあることがわかった。胎盤の大きさは胎生15日頃から野生型に比べ明らかに小さく、胎盤の形成不全を起こしていることが疑われ、おそらくそのせいで胎児の発育が遅延し低体重となる事が推測された。興味深い事に、これらの異常はApollon欠失マウスに見られる異常と酷似しており、マウスの胎生期におけるApollon の機能においてそのUBCドメインが決定的に重要な役割を果たしている事が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Apollon UBC変異マウスの個体レベルの解析がほぼ順調に進んだ。またApollon UBC変異MEFの解析やApollon結合タンパク質の探索研究にも着手しており、全体としておおむね予定通り順調に研究が進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、Apollon UBC変異MEFの細胞周期解析、Apollon 結合タンパク質の解析などを重点的に行い、Apollonによる細胞周期制御におけるApollon UBCドメインの機能等を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
購入予定の抗体が約5万円で残額(36677円)を超えてしまっていたので、次年度の研究費が入金されるまで購入を控えたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度も試薬等の消耗品購入に研究費を多く充当する予定。
|
Research Products
(3 results)