2015 Fiscal Year Annual Research Report
劇症型溶血性レンサ球菌感染症における未熟骨髄系細胞の機能解析
Project/Area Number |
25460085
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
松村 隆之 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (50434379)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 免疫学 / 細菌感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
A群レンサ球菌(Group A Streptococcus : GAS)は、通常、上気道粘膜もしくは皮膚表面で局所感染を引き起こすが、劇症型レンサ球菌感染では急激なショックと菌血症を伴う致死的全身感染となる。劇症型感染臨床分離株において遺伝子発現パターンに変化が認められる一方、発症には宿主要因の関与が示唆されている。しかし、劇症型感染発症と病態に対する炎症メディエーターの関与は不明な点が多い。申請者らは劇症型感染マウスモデルにおいて、宿主防御的に働く新規IFN-γおよびIL-6産生未熟骨髄系細胞を発見した。本研究では、新規細胞由来の各サイトカインの機能および関係性を解析し、劇症型感染の発症と病態に対する新規細胞の詳細な役割を明らかにすることを目的とする。平成27年度は、野生型マウス由来の新規細胞、IFN-γ欠損マウス由来の類似細胞群およびIL-6欠損マウス由来の類似細胞群の比較検討を行った。その結果、野生型マウス由来の新規細胞に比べ、IFN-γ欠損マウス由来の類似細胞群とIL-6欠損マウス由来の類似細胞群はGASに対する初期応答に異常があることが示された。IFN-γおよびIL-6の欠損が新規細胞の初期応答に影響することから、これらのサイトカインは細胞の活性化あるいは分化に寄与することが示唆された。また、このことは野生型マウスに比べ、IFN-γ欠損マウスおよびIL-6欠損マウスはGASに抵抗性がない一つの理由であると考えられた。
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