2013 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎の安全な寛解維持療法に対する漢方薬の有効性
Project/Area Number |
25460123
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
橋本 真一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40530217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 太郎 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60511251)
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 講師 (90448283)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 大建中湯 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎の疾患モデルとしてdextransulfate sodium(DSS)実験腸炎モデルマウスを使用した。マウスにDSS を給水ボトルより投与することにより下痢・血便を呈するようになることが知られており、7日間DSSを投与することした。薬剤を投与しない群をNormal群、DSSを単独投与する群をDSS群、DSSと大建中湯(DKT)を同時に投与する群をDSS+DKT群を10匹ずつで検討を行った。DSS群にはDSSを自由飲水させ、DSS+DKT群はDSSを自由飲水させたうえで、毎日大建中湯をゾンデで強制投与した。Normal群、DSS群には毎日滅菌水をゾンデで投与した。そして7日後にsacrificeを施行し、これら各群の摘出大腸長、Hb濃度、組織学的変化を比較することで大建中湯の効果を検討した。体重は有意差を認めなかったが、DKTを併用することで摘出大腸長は長くなり、Hbの低下も軽度となった。病理組織所見では、DSS群においては粘膜上皮が脱落しており、腺管構造も高度に破壊され、炎症細胞の浸潤を認めた。DSS+DKT群では粘膜上皮の脱落はなく、腺管構造も保たれておりGoblet cellも認めた。炎症細胞の浸潤もわずかであった。以上よりDSS群と比べてDSS+DKT群は、大腸の長さ・末梢血Hb濃度・組織学的評価において有意差をもって炎症が軽度であった。今後は、長期間の観察を行い予後について検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DSS投与群とDSS+DKT投与群に分けて生存期間の検討を行う予定であったが、十分行えていないため、今後施行予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、生存期間の検討と各群におけるサイトカインの定量など、詳細な背景の検討について、研究をすすめていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に施行する予定であった、生存期間の検討が十分に行えていないため、その検討に用いる消耗品の購入費に未使用額が生じた。 生じた未使用額については、平成26年の研究費と合わせて、サイトカイン測定やDNAアレイの解析に用いる消耗品に充当する予定である。
|