2015 Fiscal Year Annual Research Report
機能性多糖高含有カラスビシャクの選抜と高効率生産を目指した基礎研究
Project/Area Number |
25460124
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 宏幸 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30253470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 壽彦 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40213540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カラスビシャク / 半夏 / 水溶性多糖 / ELISA / 植物工場 / 国内栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、熱処理した半夏由来水溶性多糖を免疫原とすることにより、半夏由来多糖に極めて高い特異性を有するモノクローナル抗体の作製に成功した。さらに、本モノクローナル抗体を活用することで、優良品種の選抜研究を展開した。 栽培研究に関しては、全国約50か所から採取した半夏の原料植物を人工的な環境下で栽培し、評価を行った。本研究、栽培期間中の積算日射量は夏期で1,571 MJ/m2,冬期で829 MJ/m2であり、冬期は夏期の52.7%の日射量であった。日照時間は、夏期4.7時間/日、冬期3.8時間/日で,冬期は夏期の81%であった。地上部の生育については、いずれの系統も、夏期に比べ、冬期の葉数およびむかご形成数が少なかった。夏期の気温30℃条件を除いて、京都府産カラスビシャクの肥大率が優れており、その系統間差は特に冬期において顕著であった。夏期・冬期とも、いずれの気温条件においても京都府産が優れていた。多糖含量に関わらず、重さでの評価がなされているが、京都府産のものは夏期においては特級,冬期においても甲級と評価できる塊茎が得られている。塊茎の多糖成分含量は、事前に調査した市販品の含量は21.4μg/mg DWであり、これを下回ったのは気温20℃下で生育させた長崎産カラスビシャク(夏期・冬期とも)のみである。夏期・冬期とも,京都府産の含量が高く、夏期においてその系統間差がより顕著であった. 以上のように、カラスビシャクの生育温度は、その生育と塊茎の有用成分含量に影響するが、日射量の違い、および系統の違いが、塊茎の収量・品質により大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。今回の調査では、京都府産カラスビシャクが市販品に大きく優る品質を持ち、高い収量をもたらすことが明らかとなり、この系統が園芸施設での周年生産に利用可能であることが示唆された。
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