2014 Fiscal Year Research-status Report
消化管吸収性の改善を指向した天然機能性化合物の配糖体化
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25460127
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Research Institution | The Makino Memorial Foundation of Kochi Prefecture |
Principal Investigator |
水上 元 公益財団法人高知県牧野記念財団, その他部局等, その他 (30128219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 和祥 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (60405214)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖転移酵素 / 植物機能性化合物 / 酵素的配糖体合成 / 消化管吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物機能性化合物のグルコース配糖体合成に用いるための糖転移酵素cDNAライブラリーの拡張に関しては、水上はダイズのESTライブラリーからflavanone C-glucosyltransferase活性を示す糖転移酵素cDNAクローン(UGT708D1)の機能的同定に成功した。これまで、C-glucosylation活性を示す糖転移酵素の単離例は非常に少なく、研究の基礎となる機能性化合物配糖体の幅を広げる上で重要な成果である。また、分担研究者の寺坂は、イチゴの特異的芳香成分として花托に存在している4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)- furanone (HDMF)に対して糖転移活性を有する配糖化酵素として、ESTなどのデータベース情報を利用してFaGT9を単離した。基本骨格としてフラン構造を有する化合物に対する糖転移酵素としては最初の単離例であり、この成果も供試する配糖体の構造の幅を拡大する上で重要である。 小腸粘膜に存在する加水分解酵素であるLPH(lactose phloridin hydrolase)を単離して、その組換酵素を用いて各種機能性配糖体の加水分解能を比較することが次の研究ステップである。これまでにヒト小腸粘膜由来のcDNAライブラリーを購入し、またラットの小腸粘膜からcDNAライブラリーを作成して、データベース情報に基づいてそれぞれのcDNAを単離することはできている。現在、単離したcDNAを発現用ベクターに組み込む作業を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機能性化合物の配糖体合成のための糖転移酵素のクローニングと機能解析は順調に進んでいるが、配糖体の加水分解性を調べるためのヒト小腸LPH(lactose phloridin hydrolase)の組換え酵素生産が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに単離した糖転移酵素の組換酵素を用いて各種機能性化合物の配糖体を合成する。また咲く年度末に単離できたヒトおよびラット小腸粘膜由来のLPHの発現ベクターを構築して組換体を作成し、各種配糖体に対する基質特異性を比較検討する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属の変更に伴い前年度未使用額が大きくなったために、今年度についてもなお未使用額が残っていることが主要な原因である。また、ヒトおよびラットの小腸粘膜由来LPHの発現ベクターの構築に至っていないことも、経費の支出が予想よりも低くなった一因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
LPH発現ベクターの構築、組換LPHの生産と精製、基質となる配糖体の大量酵素合成に積極的に投入するとともに、学会発表および論文発表の経費としても積極的に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)