2015 Fiscal Year Annual Research Report
2型ミクログリアの抗炎症/抗酸化/貪食作用を促進するアルツハイマー病治療法の開発
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25460150
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
川原 浩一 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (10347015)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 1型ミクログリア / モノクローナル抗体 / 9F5抗原 / furin-like protease / IL-12 / ノックアウトマウス / アルツハイマー病モデルマウス / てんかん |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1型ミクログリアの解析を進めた。すなわち、これまでに申請者らが開発した1型ミクログリア特異的抗体9F5(特許第4815610号)について、その抗原分子の同定ならびに遺伝子ノックアウト(KO)マウスの解析を進めた。免疫沈降法、N末端アミノ酸シークエンサー、ならびに遺伝子発現系の実験方法により解析した結果、9F5の抗原分子は、170番目のLysから始まる1型膜貫通タンパク質GPxxxであった (Kawahara et al., Glia, under revision)。その169番目と170番目を切断する酵素を解析したところ、furin様proteaseが切断酵素である可能性が高いことが判明した。また、IL-12で1型ミクログリアを処理したところ、furinタンパク質が発現増大するとともに、9F5抗原量も増大した。9F5抗原は、正常ラット眼に高発現しており、何らかの生理的機能が示唆された。抗原分子のKOマウスを観察したところ、生後10月齢~25月齢において、ケージ交換の際に「てんかん」を発症するマウスがいた (13匹中3匹観察された)。しかしながら、発症率が低いため、再現性を注意深くみる必要がある。また、てんかん誘発剤を用いて、KOマウスと野生型マウスで発症率に差が出るか調べる必要がある。アルツハイマー病モデルマウス (APP23)で観察されるてんかん様症状と比べ、KOマウスのてんかん様症状は重篤でなかった。すなわち、APP23マウスはてんかんを発症すると、数日~1週間後に死亡したが、KOマウスは、ケージ交換時に時々1~2分間てんかん様症状を呈するものの、生存し続けた。
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