2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25460158
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小出 隆規 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70322253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペプチド / コラーゲン / 分子シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
コラーゲン様3重らせんを形成するcell-penetratingペプチドであり、かつプロコラーゲン特異的分子シャペロンHsp47の機能を競合的に阻害しうる(Pro-Hyp-Gly)3-(Pro-Arg-Gly)4-(Pr-Hyp-Gly)3の3量体を逆行輸送によって、小胞体内腔に送達し蓄積させることを目的として、in vitro細胞培養系をもちいて種々条件を検討した。 昨年度、ペプチドC-末端への小胞体局在化シグナルLys-Asp-Glu-Leu(KDEL)の付加のみでは、この目的を達成できなかった。そこで、逆行輸送を促進するとされるnordihydroguaiaretic acidを同時にHeLa細胞に添加し、ペプチドを取り込ませた。しかし、ペプチドの小胞体内腔への有意な蓄積は観察されなかった。 次いで、逆行輸送により小胞体に至ることが知られているShiga-like toxinのBサブユニット(SLT-B)を利用することとした。遺伝子組換えSLT-Bフラグメントとペプチドとを混合してHeLa細胞に振りかけたところ、ペプチドはより効率的に細胞内に取り込まれた。しかしながら、取り込まれたペプチドはそのC-末端にKDELが付加されていた場合にも小胞体内腔への蓄積は観察されず、最終的にはリソゾームに蓄積することがわかった。 さらに、ペプチドのN-末端をヨードアセチル化したものを調製し、イミノチオランを用いてSLT-Bフラグメントと複合体化した。ペプチド‐SLT-B複合体を、HeLa細胞に振りかけたところ、細胞への取り込みは観察されたが、逆行輸送による小胞体への移行と蓄積は観察されなかった。これは、ペプチドのSLT-Bへの共有結合によって、SLT-Bの活性構造である細胞膜上での5量体形成が妨げられたことによるものと推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現状では、細胞内へのペプチドの導入には成功しているものの、逆行輸送経路にそれを乗せることができないでいる。参考とした、他のグループの文献(J. Drug Target 2009)に記載された結果が疑わしい。SLT-Bを補助的に用いる手法には検討の余地が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の逆行輸送に加え、トランスロコンを介した順行輸送を利用したシステムについても検討する。具体的には、アミノ末端に分泌シグナル配列を付加したペプチドを合成し、cell-penetratingペプチドを利用した細胞内への導入、小胞体への局在を観察する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は前年度の端数である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通りに使用する。
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Research Products
(2 results)