2013 Fiscal Year Research-status Report
幼若期ストレスの脳機能への影響と聴覚的環境エンリッチメントの予防効果に関する研究
Project/Area Number |
25460168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
白崎 哲哉 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (30264047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副田 二三夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (10336216)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エコファーマ / 予防薬学 / 環境因子 / 神経発達 / 超音波発声 |
Research Abstract |
4月に研究機関を移動したことにより、防音環境下での母仔隔離実験と行動薬理実験を行う実験室の構築が必要となった。そこでまず、行動実験室となるスペースを確保し、必要となる機材・資材等を設置して、実験基盤の構築を行っている。これまでに、母仔隔離実験については、騒音レベルが40dB程度で温度管理もうまくできスムーズに行えるようになった。また、行動実験についても、着任校で使われずに眠っていた装置を再度組み立て、新たに構築した行動実験室内にて物理的には観察できるところまで来た。しかし、Windows2000上で起動する古い装置であり、かつ、測定方法が前任校の機器とは異なるため、機器・解析ソフトの理解に手間取っている。また、前任校では防音室内に行動観察のフィールドを設置し、防音室外にて動物の行動を測定・観察できたが、着任校には防音室がなく、狭い実験室内にフィールドを設置して実験者と同じ空間で観察することから、まだ前任校で行っていたようにうまく実験を行える状況には至っていない。現在、照明や音響、視覚的遮断、実験室内の匂い対策などを行うとともに、観測機器の習熟も行い、前任校での結果が再現できるように工夫している。超音波発声の記録については、母仔隔離用の小型防音庫内に特殊マイクを設置し、防音庫外のPCに接続して母仔隔離と同時に超音波発声が記録できるよう試行錯誤している。ドイツ製の機器で優れた特性を持つが、最新技術であり未経験の分野であるため、まだ装置を使い熟せていない。神経化学実験については、現在、生後2日目から9日目まで母仔隔離し10日目に海馬CA1領域を切り出した後、GABAB受容体発現量を測定しているが、年度当初に予定がなかった研究室の引っ越しがあり途中で中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究機関を移動したことに伴い、新任校において新たに行動実験環境を構築している。実験環境に加えて実験動物の飼育環境と飼育方法も変わったことと、新任校での教育・教務に対応する準備に時間がかかっていることから、着任当初予定したより実験環境の構築が遅れているが、少しずつ問題を解決し、安定して行動実験ができる環境になりつつある。加えて、超音波発声記録装置が高価で貴重な研究資材であることから、マニュアルを見ながら慎重にセットしており、取扱いに時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験環境は、物理的にはでき上がり、現在その調整を行っている。スペースの関係で、行動実験室をNMR室の横に構築したため、磁場の影響が最も心配される。また、前任校の測定環境には無かったNMRの運転に伴う低周波雑音の影響も懸念され、その対策も行ってできるだけ早急に、行動実験を安定して行えるようにする予定である。行動実験観察装置の問題は、PCでの記録が難しいと判断された場合は、市販の最新型ビデオカメラを購入して撮影し、目測でカウントすることにより解決する。そのうえで、計画した研究の遅れを取り戻す。研究分担者の熊本大学内での研究室引越しも終わり、近々神経化学実験も再開できる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物と関連経費の支出が少なかったため 実験動物を含む消耗品として使用する。
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