2014 Fiscal Year Research-status Report
黄色ブドウ球菌毒素SSLの免疫かく乱作用に着目した感染予防・治療法の確立と創薬
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25460171
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 佐生智 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70308013)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 黄色ブドウ球菌毒素 / 免疫回避 / スーパー抗原様毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄色ブドウ球菌は様々な細菌毒素を産生するが,Staphylococcal superantigen-likeはスーパー抗原と類似の立体構造を持ちながらスーパー抗原活性を示さない機能未知の毒素ファミリーである.私は14種あるSSLのうち,SSL5がマトリクスメタロプロティナーゼ9に結合しその活性を抑制すること,SSL10がIgGに結合し補体活性化を抑制すること,SSL3がTLR2に結合し,リガンド認識を抑制することを見出している.本年度はSSL3のTLR2阻害作用に着目し,SSL3のTLR2結合領域の絞り込みを行った.SSL3とTLR2との結合を有しないSSL7とのドメインスワップ体を作成し,SSL3の分子中央部にあるOB- FoldドメインがSSL3-TLR2相互作用に関与していることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SSL3とTLR2との結合を有しないSSL7とのドメインスワップ体を作成し,SSL3の分子中央部にあるOB- FoldドメインがSSL3-TLR2相互作用に関与していることを見出した. 従来は欠失変異体を用いて解析していたが,本年度の成果よりドメインスワップ体による解析の方が優れていることが明らかになった.これを元に他のSSL-標的分子相互作用の解析の進展が期待できると考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はSSL10-血液凝固因子相互作用,SSL5-MMP-9相互作用について同様の領域の絞り込みを行いたい.この成果は新規の血液凝固阻害薬や抗炎症,がん転移抑制薬の開発につながると考えている.
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Causes of Carryover |
残額の25079円で購入できる試薬,物品がなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の残額25079円は次年度交付される補助金と合わせて使用する予定である.
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