2013 Fiscal Year Research-status Report
新規聴力制御分子を標的にした、騒音性難聴の解析と予防法の開発
Project/Area Number |
25460178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大神 信孝 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80424919)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ラセン神経節 / 騒音 / 内耳 / 難聴 |
Research Abstract |
【研究目的】感音性難聴には、生まれた時より発症する先天性難聴、あるいは加齢性難聴、騒音性難聴などが含まれ、それらの発症の原因として、遺伝的要因あるいは騒音等の環境ストレスが関わっていると考えられているが、未だ不明な点が多い。一方、我々はマウスでR分子機能を低下させると加齢性難聴を発症する事、その機能増強により加齢性難聴の予防に成功してきた(Neurobiol Aging 2012)。騒音ストレスは難聴の主要な危険因子であるが、騒音性難聴とR分子の関連は全く報告されていない。そこで、騒音性難聴予防の新たな標的分子として内耳の聴(ラセン)神経節のR分子を解析した。 【結果】R分子機能亢進マウス(n=10)と野生型マウス(n=10)に騒音曝露を行い、聴性脳幹反応(ABR)測定を実施した所、環境(騒音)ストレスに対する耐性がある事が判明した。一方、神経成長因子G分子はR分子のリガンドであり、R分子活性を賦活化させるが、コストやドラッグデリバリー等の点から聴覚系疾患への応用が難しい。そこで我々は、海馬細胞などでG分子の発現レベルを上昇させる事が報告されている低分子ペプチド(Nitta, J Neurosci 2006)に着目し、騒音性難聴予防効果を検討した。野生型マウス(n=5)に低分子ペプチド(0.1 mg/kg)を生後2.5日から5週齢まで2~3日毎に腹腔内投与した。3週齢時に騒音曝露した後、ABR測定を実施したが、今回の実験条件では、投与群は非投与群と比較して有意な予防効果を示さなかった。 【今後の検討課題】低分子ペプチド等の低分子化合物を静注等の他の投与法で投与し騒音性難聴の予防・改善効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた成果は、予想に反するものであったが、実験系自体は機能しており、今後、遺伝子背景も考慮した解析を進めれば、有望な候補化合物が得られる可能性がある為。
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Strategy for Future Research Activity |
内耳の聴神経系の維持に関わる分子群の発現・活性を制御出来る化合物の選定をいくつかの投与法で進め、騒音性難聴発症の予防薬の開発をマウスレベルで展開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未だ予備検討の段階の為、予想よりも小規模の実験になった為。 実験の規模を拡大する為、研究補助員を採用し、それに伴う消耗品などに使用する。また、得られた研究成果を学会などで発表する為、旅費に使用する。
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