2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of amorphous nanoparticles on allergic ashtma and autoimmune diseases
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25460180
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉野 伸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00260729)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非晶質ナノシリカ / 経口免疫寛容 / サイトカイン / 自己免疫 / アレルギー / アジュバント |
Outline of Annual Research Achievements |
非晶質ナノシリカは化粧品基材や食品添加物などに汎用されているが、一方、その暴露によってリンパ節、脾臓等の免疫組織への移行が報告され、免疫系へ影響を与える可能性がある。本研究では、食物アレルギー阻止に重要な役割を果たしている経口免疫寛容に与える影響について検討した。実験動物にはBALB/cマウスを使用し、抗原感作のため卵白アルブミン(OVA、0.1 mg) を完全フロントアジュバントと共に皮下投与し免疫を行った (day 0)。経口免疫寛容誘導のため、免疫前に5日間 (day -5~day -1) 1日1回25 mg OVAを計5回経口投与した。非晶質ナノシリカは各OVA経口投与直前に経口投与した。Day 21に血清および脾臓細胞を回収し、血清中の抗OVA 抗体、抗原特異的脾臓細胞増殖反応、本細胞による種々のサイトカインを測定した。その結果、経口免疫寛容誘導によって抑制された抗OVAIgG、IgG2a、IgG1、IgE抗体産生、脾臓細胞増殖反応、およびIFN-gamma、IL-4、IL-17産生はすべて有意に阻害された。本阻害効果はOVAをday -5に1回のみ経口投与した場合にもみられた。したがって非晶質ナノ粒子はTh1、Th2およびTh17経口免疫寛容誘導に対し、非選択的に阻害することが明らかにされ、本ナノシリカ暴露によって食物抗原に対するアレルギーが誘導される可能性は否定できないと思われる。今後、非晶質ナノシリカによる経口免疫寛容誘導阻止の詳細なメカニズムについて検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)