2013 Fiscal Year Research-status Report
神経ペプチド上の過酸化脂質由来の化学修飾解析:神経変性疾患への新規アプローチ
Project/Area Number |
25460186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 宣和 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60519776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 知行 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10203712)
後藤 貴章 東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (40344684)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Oxidative stress / Lipid peroxidation / Hydroxyl radical / Chemical modification / Neuropeptides / Angiotensin peptides / Mass spectrometry |
Research Abstract |
先に申請者は、脂質過酸化物から生じる4-oxo-2(E)-nonenal (ONE)が、アンジオテンシン (Ang) II (DRVYIHPF) のN末端アスパラギン酸の酸化的脱炭酸を促し、N末端ピルバミド体 (Ang P) を与える事を見出した (Lee et al., Chem. Res. Toxicol. 21:2237, 2008)。更にN末端の変化が、Ang IIタイプ1受容体との結合を著しく阻害する事を見出し、酸化ストレスと高血圧の関連を示唆した (Lee SH et al., Anal. Biochem. 437:10, 2013)。これらの知見を基に、平成25年度は以下の知見を得、その一部は既に報告済みである (Lee SH et al., Chem. Res. Toxicol., 2014, in press. DOI: 10.1021/tx400469x)。 1. Ang A、Ang III、Ang IV などN末端がアスパラギン酸以外の場合も同様に、ONEによりα-ケトアミド体へと変換した。 2. ONEに替わりヒドロキシラジカルを用いた場合、より効率的にN末端 α-ケトアミド体が得られた。 3. ピリドキサミン (PM) 存在下N末端ケトアミド体は、アミノ基転移によりD- および L-アミノ酸へと再生し、この反応は経時的かつPM濃度およびCu(II)イオンの添加で促進された。 4. ONE/ヒドロキシラジカル由来のN末端α-ケトアミド化とPM由来のアミノ基転移は、他の神経ペプチド(アミロイドβ1-11;neurokinin B, NKB; cholecystokinin-8, CCK-8; melanin-containing hormone, MCH) でも観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ONE由来のN末端ケトアミド化とPMのアミノ基転移によるアミノ酸への再生を、各種神経ペプチドを用い検討し、上記知見を得た。その過程に於いて、N末端アスパラギン酸以外の物でもN末端α-ケトアミド化が進行する事、更にヒドロキシラジカルにより効率的に進行する事を、期せずして見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. N末端α-ケトアミド体からの環化反応の精査 2. 生体試料からのAng P分析法の開発 ジラード試薬など、ヒドロキシルアミン・ヒドラゾン型試薬による誘導体化法の検討。 固相抽出、イオン交換クロマトグラフィー、ビオチニル化とアビジンカラムの併用などを用いたクリーンアップ法の検討。 LC/MSによる選択イオン検出 (SRM) およびプレカーサーイオンスキャンを用いた高感度検出系とスクリーニング系の検討。
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Research Products
(8 results)