2013 Fiscal Year Research-status Report
新規高尿酸血症治療薬の個体間変動因子の解明と個別化薬物療法の確立
Project/Area Number |
25460187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
寺田 智祐 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10324641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 大樹 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50636959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薬学 / 個別医療 / 薬物動態 |
Research Abstract |
本研究では新規に上市された高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタットの個別化投与設計を目指し、腎機能や肝機能、代謝酵素の遺伝子多型が体内薬物動態・治療効果に与える影響について検討を進めている。初年度である平成25年度はフェブキソスタットの体内薬物動態に与える腎機能の影響を明らかとした。 フェブキソスタットは既存の同効薬であるアロプリノールと比較して腎機能による容量調節が不要であるなどの利点から、腎機能低下患者を中心に処方数が増加している。しかしながら、市販前の臨床試験においては腎機能の指標であるeGFR(推定糸球体濾過速度)が30mL/min/1.73m2未満の高度腎機能低下患者での投与実績は乏しく、腎機能低下患者における有効性・安全性については十分な情報が不足していた。 本研究ではこれまでに腎機能低下症例を中心にフェブキソスタット服用患者86名の同意を取得し、薬物血中濃度測定を行った。なかでも、アロプリノールからフェブキソスタットへの薬剤変更した患者群について、母集団薬物動態解析法を用いて薬物動態への影響因子を解析したところ、フェブキソスタットの体内薬物動態は腎機能による影響を受けにくいことが明らかとなった。さらに高度腎機能低下患者群における治療効果(尿酸値低下効果)及び副作用発現率は軽度・中等度腎機能低下患者群と比較しても有意な差は無く、腎機能低下例でも有効かつ安全に使用できる薬剤であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに目標症例数に近い患者数を導入し、患者背景に基づく薬物動態解析を進めていることに加え、基礎薬物動態実験においても主要代謝酵素を同定するなど、一定の研究成果を挙げてきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度に示したとおり、これまでの研究はおおむね順調に進展していることから研究計画の変更は予定していない。次年度はこれまでに取得した血中濃度測定データ及び遺伝子多型データを母集団薬物動態解析により総合的に解析し、高尿酸血症治療薬の個体間変動要因の同定を試みる。
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