2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的薬投与によるインフュージョンリアクション発症機構の解明と評価系の構築
Project/Area Number |
25460193
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中村 克徳 琉球大学, 医学部附属病院, 教授 (20361363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和哲 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00423848)
安藤 雄一 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)
松永 民秀 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40209581)
大森 栄 信州大学, 医学部附属病院, 教授 (70169069)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフュージョンリアクション / 抗体医薬 / リツキシマブ |
Outline of Annual Research Achievements |
インフュージョンリアクションは、一般的にモノクローナル抗体製剤(抗体医薬)の投与後に発現する急性期の有害事象を言う。近年は、癌治療をはじめとして分子標的薬が増加しており、なかでも抗体医薬はその中心的役割を担っている。本研究では、抗体医薬投与直後に発現する副作用を未然に防ぐ手段を確立するために、薬剤投与直後に副作用を発現した患者の①遺伝子多型等を網羅的に解析することによりインフュージョンリアクションリスク因子を明らかにし、ハイリスク患者を予測可能な評価系の確立を最終的な目的としている。B 細胞性非ホジキンリンパ腫に高い効果を持つリツキシマブ(リツキサン)は、主に初回投与時に発熱や悪寒、かゆみなどのインフュージョンリアクションが現れることがあり、その多くは抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬および副腎皮質ステロイドで予防・治療が可能であるが、まれに呼吸器や心臓などに重い障害を引き起こすことが報告されている。リツキシマブ投与を受けている名古屋大学医学部附属病院(名大病院)および名古屋市立大学病院(名市大病院)受診患者についてカルテ情報の調査を行った。名大病院でリツキシマブ投与を受けた患者のうち、インフュージョンリアクションを発症した患者は 58.1%であった。名市大病院でリツキシマブ投与を受けた患者のうち、インフュージョンリアクションを発症した患者は 21 名(20.2%)であった。リツキシマブによるインフュージョンリアクション頻度は、添付文書情報の 90%と比較して低頻度であった。平成 26 年度まで、リツキシマブ投与を受けた患者において、インフュージョンリアクションを発症した患者の頻度は添付文書情報と比較し、低頻度であることが明らかになった。
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