2014 Fiscal Year Research-status Report
腎不全進行抑制を目的とした尿毒症物質の代償性排泄経路の解明とその誘導
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25460196
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森本 かおり 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (90401009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 幹雄 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (60207610)
荻原 琢男 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (80448886)
矢野 健太郎 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助手 (40644290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インドキシル硫酸 / トランスポーター / 小腸 / 腎不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドキシル硫酸(IS)の排出輸送へのABCトランスポーターの関与を評価する目的で、MRP2, BCRP、MDR1を高発現するSf-9由来細胞膜ベシクルへの特異的蛍光プローブの取込阻害実験およびIS自体の取込を測定した。ISは、MRP2およびBCRPの特異的基質の輸送を顕著に阻害したが、IS自体のATP依存的な取込は認められなかった。このことから、ISはMRP2ならびにBCRPを阻害するが、それ自体は基質とはならないと考えられた。 次にCaco-2単層膜を用いてISの輸送の方向性を検討したところ、排出方向優位な輸送が確認された。緩衝液中のNaをN-メチルグルカミンに置換すると、吸収方向の輸送の増大と排出方向の輸送の低下が認められ、結局この時の両方向の透過係数は同レベルとなった。以上より、ISの排出輸送に関与する輸送体がCaco-2細胞に存在し、それがNa依存性の2次性能動輸送である可能性が示唆された。なお予備実験の結果ではあるが、SLC17系に特異的な阻害剤とされるDIDSおよび evans blueにより排出方向の輸送のみが完全に消失した。 さらにラット摘出小腸における輸送特性をdiffusion chamberを用いて検討した結果、空腸、回腸、結腸におけるISの透過は吸収方向、排出方向で同等であり、結腸に比較して、空腸、回腸で高い透過性を示した。ISの輸送にはリン酸輸送体が関与する可能性があると考え、リン酸非含有緩衝液で透過性を検討したところ、空腸で吸収方向に比較して排出方向が5倍以上大きな透過係数を示した。 以上より、消化管粘膜上皮にはISを分泌する輸送機構が存在し、それはNaを駆動力とする2次性能動輸送体であり、リン酸の排出輸送に関与するものである可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インドキシル硫酸の放射ラベル体を用いた物質収支実験(in vivo)および透過実験、細胞を用いた取り込み実験を行う予定としていたが、放射ラベル体の安定性の問題(一か月に5%分解)から、購入後速やかにに実験を行う必要があり、実験条件を非標識体で検討している段階で遅れている。また、Caco-2単層膜を用いた透過実験において排出優位な透過が確認されたが再現されない状況が続き、解決に時間を要したため、当初の予定から少なからず遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
消化管においてインドキシル硫酸の排出輸送に関与するトランスポーターを推定する。その手段として、各種阻害剤の影響などからトランスポーターを絞り込み、RNAiによるノックダウンがISの取り込み活性に及ぼす影響などから推定する。RNAiはCaco-2を用いたin vitro実験に適用し、摘出小腸では阻害剤の影響のみを検討する。 同時に、正常および腎不全モデルラットを用い、in situ single perfusion法で消化管排出クリアランスの全身クリアランスに対する寄与率を求める。放射ラベル体が入手できる準備が整えば、腎不全モデルおよび正常動物で消化管排泄を含めた物質収支実験を行う。 さらに、推定したトランスポーターを誘導する方法があるか、各種核内受容体のagonistにCaco-2を暴露し、qPCRで標的トランスポーターの発現量への影響評価する。誘導の認められた物質に関しては、Caco-2単層膜に暴露後、排出輸送能の上昇の程度を評価する。最終的にはin vivoで効果を検証したい。
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Causes of Carryover |
放射ラベル体を用いた物質収支実験および透過実験を計画していたが、標識体の安定性が非常に悪いため、実験条件を非標識体で確定出来てから発注することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験条件が確定後、速やかに放射ラベル体の合成依頼を行い、物質収支実験、小腸粘膜透過実験に供する。
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Research Products
(2 results)