2013 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグリプロファイリングによる新規メカニズムを持つ抗パーキンソン病薬の開発
Project/Area Number |
25460204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
田崎 嘉一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60374807)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パーキンソン病治療薬 / オキシカム系NSAIDs / Akt / mTOR |
Research Abstract |
平成25年度は、計画の1つである、meloxicamのパーキンソニズム抑制効果のメカニズム解明を行った。すなわち、培養神経細胞SH-SY5Yにおいて、パーキンソン病様神経毒MPP+を加えると、細胞生存シグナルAktの活性低下が起こり細胞死が起こるが、メロキシカムは、このMPP+によるAkt活性低下を抑制して神経細胞死を救うことを見出している。 しかし、これまでにAktの下流シグナルについては、わかっていなかった。今回、下流のmTOR分子に着目し、mTORが活性化しているか否かを検証した。mTORは、MPP+添加によりAkt同様、活性低下が起こるが、meloxicamを共存させることにより、Aktの活性が保持され、それに伴ってmTORの活性も保持(リン酸化mTORによって確認)されることが分かった。またMPP+による細胞死においてmeloxicamは細胞死を抑制するが、これにmTOR阻害剤のrapamycin、everolimusを加えるとmeloxicamの神経細胞死抑制作用はキャンセルされ、細胞死が起こる。したがって、meloxicamの作用は、Akt/mTORの活性保持を通して神経細胞死抑制作用を持つことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メカニズム解明については、上記のとおり順調にすすんでいる。今後は、Akt上流の分子について検討を行っていきたい。計画の1つであるパーキンソン病動物モデルでの各種オキシカム系NSAIDsの評価も行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を遂行するための研究体制・役割は、これまでは、以下の通りである。研究代表者:田崎嘉一、細胞系実験の実験計画作成と全ての実験の遂行、全体の研究総括。研究協力者(3名):旭川医科大学病院薬剤部、1.薬剤師・薬学修士:山本譲 (パーキンソン病マウスモデル作製と行動解析・免疫染色解析)。2.薬剤師・薬学博士:神山直也(薬物動態実験)、薬剤師・薬学博士:飯田慎也(細胞培養実験とシグナル解析)3.主任薬剤師:小野尚志 (細胞死定量、Western blotなど)。 今後は、免疫染色実験に薬剤師・薬学博士:久保靖憲を加えて推進させる。
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Research Products
(1 results)