2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミコフェノール酸の薬物動態と薬効の速度論的解析と個別化投与設計
Project/Area Number |
25460210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 育子 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50273446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 母集団解析 / M&S / ミコフェノール酸 / IMPDH / 造血幹細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫抑制薬であるミコフェノール酸(MPA)はイノシンモノホスフェイト脱水素酵素(IMPDH)を特異的に阻害し、腎移植領域では血漿中AUCに基づく投与設計が推奨されている。一方、造血幹細胞移植患者に対するMPAの投与設計に関する情報は不足しているため、本研究では、MPAの薬物動態と薬効に関する速度論的解析を行い、MPAの個別投与設計情報を得ることを目的とした。 まず、MPA及びその代謝物、IMPDH活性についてLC-MS/MS法を用いた測定系を新規に構築した。さらにMPAのタンパク結合率は高いため、血清アルブミン濃度の変動によって、薬物動態及び薬効が変動することが推察される。そこで無アルブミン血症ラット(NAR)を用いて、タンパク結合率がMPAのPK/PDに与える影響について評価した。母集団PK/PD解析の結果、タンパク結合率の変化が非線形的にIMPDH活性に影響を与えることが明らかとなり、低アルブミン時における血漿中MPA濃度に基づく投与設計はMPAの過剰曝露を引き起こす可能性が示唆された。 さらに、造血幹細胞移植患者を対象に、MPA投与開始1,3週目の血中濃度及びIMPDH活性を経時的に測定するとともに、MPAのPK/PDに関わる可能性のある遺伝子の多型解析を行った。得られたデータを基に腸肝循環を考慮したPK/PDモデルを構築した結果、腎機能が代謝物のみならず、MPA血中濃度やIMPDH活性に影響を与えることが明らかとなったが、遺伝子多型との関連は見られなかった。さらに、GVHDの発症とMPAの血中濃度やIMPDH活性の関連解析を行ったところ、GVHD発症患者において代謝物であるアシルグルクロン酸抱合体の血中濃度が高い傾向を示した。 以上、個々の患者において血清アルブミン濃度や腎機能、MPAの代謝物濃度を考慮し、個別投与設計することの重要性が示唆された。
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[Journal Article] Pharmacokinetics and pharmacodynamics of mycophenolic acid in Nagase analbuminemic rats: Evaluation of protein binding effects using the modeling and simulation approach.2015
Author(s)
Yoshimura, K., Yano, I., Kawanishi, M., Nakagawa, S., Yonezawa, A., Matsubara, K.
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Journal Title
Drug Metab. Pharmacokinet.
Volume: 30
Pages: 441-448
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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