2013 Fiscal Year Research-status Report
母体と胎児間の栄養輸送におけるmTORシグナルの新たな役割
Project/Area Number |
25460211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平野 剛 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (00322826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 みどり 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (70228766)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胎盤栄養素輸送 / 医療薬学 / 食品栄養学 / 医薬品情報学 / 安全性学 / SNAT3 / mTOR / AMPK |
Research Abstract |
妊娠の進行に伴う胎盤の形態変化を反映した様々な評価モデルを用い、栄養感知システムであるmTORおよび関連因子の活性化と各種栄養素トランスポーター、特に妊娠初期に特異的な発現を確認したグルタミントランスポーターSNAT3(Slc38a3)の他、アミノ酸トランスポーター(SLCファミリー)、グルコーストランスポーター(GLUT, SGLTファミリー)、葉酸、カルニチンなどのビタミン類、核酸輸送に関与するヌクレオチドトランスポーターを等との関連を妊娠期毎に網羅的に解析・評価した。 mTORは、細胞外の栄養環境、主にアミノ酸バランスの変化を感知し、タンパク質の翻訳に影響を及ぼすことによって、細胞増殖、脂質代謝、インスリン抵抗性、オートファジー等に関わるタンパク質の活性を制御している。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は糖質などのエネルギー環境を感知しmTOR活性化に対しても影響を与えている。これらの栄養感知システムと胎盤に存在する各種栄養素トランスポーター、母体胎児間輸送との関連についての知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠期毎に網羅的に解析し、ほぼ評価できているので、おおむね順調に進展している。 mTORの活性化変動をmTOR活性化マーカーであるS6タンパク質のリン酸化レベルにて評価すること、各化合物暴露後の各種栄養素トランスポーターの発現変動を同時に解析し、各種化合物とmTORの活性化、mTORの活性化と栄養素トランスポーターの発現変動との関連性について詳細に評価する方針は達成できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
mTOR活性化と各種栄養素トランスポーター発現との直接な関連を評価するために、リン酸化S6タンパク質と各種栄養素トランスポーターを同時に蛍光標識し、両者の局在解析について先に検討し、それらの研究成果を元に活性化─輸送能相関を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験器具、試薬等を効率よく使用することができた。 平成25年度と同様に、計画的に無駄のない研究を行う。
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