2015 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚老化の進行過程を抑制するための抗酸化作用を有する物質の皮内送達法の探索
Project/Area Number |
25460225
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 豊史 日本大学, 薬学部, 准教授 (20267115)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | レスベラトロール / プテロスチルベン / メラニン産生抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
プテロスチルベン(PTE)はレスベラトロール(RES)のジメチル化誘導体であり,それらの構造的な類似性にもかかわらず,PTE(80%)はRES(20%)より高い生物学的利用能を有する.PTEの抗酸化活性は,抗発がん性,神経疾患の変調,抗炎症,血管系疾患の減少,および糖尿病の改善などの予防や治療効果に関与することが,in vivoおよびin vitroモデルで報告されている.そこで本研究では,PTEの経皮吸収化に加えて,皮膚に対する抗酸化効果を目指して,RES誘導体であるPTEとアセチルPTEをそれぞれ合成し,それらのメラニン産生抑制作用を比較検討した.RESを出発原料とし,PTEを経由し,アセチルPTEを合成した.細胞内メラニン産生抑制は,B16メラノーマ細胞(100,000 cells)を用いて,細胞播種24時間後に各試料を添加48時間の効果を評価した.RES誘導体による細胞毒性試験およびチロシナーゼ阻害活性試験を検討した.試料添加2日後の細胞内メラニン生成量は,既知の美白剤である1mMコウジ酸および100 microMロドデノールでそれぞれ約25%および約30%の抑制効果が認められた.PTE(1 microM)はRES(50 microM),アセチルPTE(20 microM)より低濃度でメラニン産生量に対する有意な抑制効果を示し,それらの機構にチロシナーゼ阻害作用の関与が明らかとなった.また,それら濃度は細胞の生存率に影響を及ぼさなかった.以上のことから,PTEはRESに比べ,その脂溶性から細胞膜透過性に優れ,皮膚に対して安全性の高いメラニン産生抑制効果を有することが示唆された.
|
Research Products
(4 results)