2013 Fiscal Year Research-status Report
流産早産の予防治療を可能とする破綻した膣内細菌叢の再構築に向けた情報取得
Project/Area Number |
25460226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉田 隆 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (10312076)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膣 / 微生物叢 / パイロシーケンス / qPCR / Lactobacilus spp. |
Research Abstract |
妊婦の膣内細菌叢を経時的に解析することにより、細菌性膣症関連細菌を見いだすことを目的とした。妊娠初期(12週)、中期(24週)および後期(36週)の3期から膣スメアを連続採取した。膣スメアから細菌DNAを抽出後、全ての細菌に普遍的に保存されている遺伝子であるrRNAを個別標識タグを付加したプライマーを用いてPCR増幅した。精製したDNAフラグメントはさらにエマルジョンPCRで増幅し、次世代シーケンサーを用いて、パイロシーケンス法によりDNA塩基配列を解析した。Lactobacillus spp.が優位であったが、non-Lactobacillus spp.が優位な検体も存在した。優位なLactobacilus spp.およびnon-Lactobacillus spp.の中からGardnerella sp.に対する特異ブロープを作製しリアルタイムPCRによる定量系を構築した。その結果、パイロシーケンス法とqPCRによる存在比はほぼ一致した。Lactobacillus spp.が継続する個体および妊娠経過に伴いGardnerella sp.が優位になる個体が存在した。本年度の研究から妊婦の膣内に存在する優位な細菌叢を特定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終ゴールは破綻した膣内細菌叢の再構築法の開発である。そのためには、解析の礎となる膣内細菌叢の全容を明らかにする必要がある。今年度の研究ではパイロシーケンスレベルで細菌叢を明らかにすることができた。ただし、解析プログラムの変更が行なわれたため、詳細な結果については再解析が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦の経時変化に加えて、非妊娠群の解析も並行して実施している。これらの結果を総合的に判断することにより、いわゆる”悪玉菌”が同定できる。これを用いて膣上皮細胞への炎症惹起の実験をすすめる。具体的には、自然免疫機構のひとつであるディフェンシン応答およびそれへの感受性試験、シクロオキシゲナーゼ系を介する炎症、さらには、培養上清に分泌される各種サイトカインの解析を行なう。以上の研究から、膣上皮細胞を沈静化させる機序を見いだす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画はおおむね順調であったが、特異プローブの作製数を変更した。これは一部の菌叢のDNA塩基配列が不正確な可能性が考えられたため、次年度により高精度に再解析することが懸命であると判断したためである。 一部の菌叢については、パイロシーケンスではなくサンガー法により再現実験を行なうこととしたので、その経費に充てることとした。
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Research Products
(10 results)