2015 Fiscal Year Annual Research Report
流産早産の予防治療を可能とする破綻した膣内細菌叢の再構築に向けた情報取得
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25460226
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉田 隆 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (10312076)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膣細菌 / Lactobacillus / LAMP / 迅速検出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度および26年度の研究結果から、妊娠群、非妊娠群および早産群に優位な細菌叢をパイロシーケンス法により見いだした。これらの細菌叢を臨床現場(ベットサイド)で使用可能な迅速診断法を開発することは、妊婦に対して極めて有用である。そこで迅速診断法として早急に応用可能な方法としてHIV、新型インフルエンザや結核の診断で臨床実績のあるLAMP( Loop-Mediated Isothermal Amplific ation)法を実践応用することとした。増悪菌と推定されるBacterium sp.1のゲノム解析を網羅的に行い、比較ゲノムから当該菌種に特異的な遺伝子および配列を見いだした。この配列情報をもとに特異的性の高いLAMP法を開発した。作製したプローブは膣常在菌であるLactobacillus spp.には反応せず、開発したLAMP法の特異性を確認した。特異性は、さらに増幅産物を直接シーケンスことでも確認した。また、検出感度は、>10 fgであり、検出に要した時間はわずか30分であった。実際のヒト膣細菌検体を用いたところ、一般的なPCR法よりも検出感度および検出時間が有意に高かった。 以上、本年度に開発した患者膣内増悪菌に対して、高い特性、高い検出感度および迅速性にすぐれた方法であることを、ヒト検体を用いて証明した。LAMP法自体は体外診断薬としてすでに臨床の場に供されていることから、本法の臨床の場での実践的利用が期待できると考えられた。
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Research Products
(11 results)