2013 Fiscal Year Research-status Report
薬物治療の最適化:ホルモン自己抗体陽性者における臨床検査の再評価
Project/Area Number |
25460232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
服部 尚樹 立命館大学, 薬学部, 教授 (80288828)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 甲状腺刺激ホルモン / マクロTSH |
Research Abstract |
「薬物治療の最適化:ホルモン自己抗体陽性者における臨床検査の再評価」 甲状腺ホルモンが正常であるにもかかわらずTSHが高値を示す病態は潜在性甲状腺機能低下症と呼ばれている。今回、潜在性甲状腺機能低下症おけるマクロTSH血症の頻度について検討した。【方法】甲状腺ホルモンが正常値でTSHが高値である680例(年齢64.5±19.2歳、男性296名、女性384名)、甲状腺ホルモンが低値でTSHが高値である顕性甲状腺機能低下症38例(年齢65.6±16.1歳、男性14名、女性24名)について検討した。マクロTSH血症のスクリーニングは終濃度12.5%のポリエチレングリコール(PEG)法で、確認はゲル濾過法で行った。【成績】コントロールである顕性甲状腺機能低下症例におけるPEGによるTSHの沈降率は58.0 ± 11.4%であり、ゲル濾過上TSHはすべて分子量28kDa付近に溶出された。甲状腺ホルモン値が正常でTSHが高値であった680症例中、TSHの沈降率が70%以上を示した症例についてゲル濾過による検討を行った。ゲル濾過上、分子量150kDa以上にもTSHが溶出されるマクロTSH血症例が7例(1.03%)存在した。マクロTSH血症患者7名のTSH値は11.3-716μU/mlであったが、free TSH値は全例正常範囲内であった。【結論】マクロTSH血症の頻度はマクロプロラクチン血症(高PRL血症の10~20%)よりは低いが、潜在性甲状腺機能低下症の鑑別診断の一つとして重要と考えられた。 上記内容を第87回日本内分泌学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSHの超高感度酵素免疫測定法(EIA)が確立され、大量の臨床検体をスクリーニング出来る様になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. マクロTSH血症の病因を更に明らかにする。TSHの生物活性のアッセイ系を確立しマクロTSHの生物活性を免疫活性と比較検討する。 2. マクロプロラクチン血症のスクリーニング検査を広く日本全国に呼びかけ、誤診による患者の不利益を避ける。2014年度発行の 「最新医学」に、本研究室で無償でスクリーニングする旨を掲載した。 3. インスリン自己抗体陽性患者における最適化インスリン決定のためのin vitroスクリーニング系を確立する。 4. 卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)に対する超高感度酵素免疫測定法を確立し、マクロFSH、マクロLH血症の存在の有無を検討する。
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Research Products
(5 results)