2013 Fiscal Year Research-status Report
男性生殖系器官の発生・分化メカニズムの機能形態解析と分化マーカーの開発
Project/Area Number |
25460246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉永 一也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (50136719)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
精巣・精巣上体・前立腺は、「不妊症」や「がん」に関連する器官として近年、医学的・社会的に大きな関心が寄せられている。本研究では、これら男性生殖器の発生・分化メカニズムを解明するために、各器官で発現している遺伝子・分子に注目し、その生体内分布・局在動態および生理機能について、発生学および機能形態学的視点から細胞・組織~個体レベルで解析することを目的としている。本年度は、マウスの精巣上体と前立腺における細胞骨格関連分子やプロトン分泌関連分子の分布局在を免疫組織化学的に調べた。その結果、1)精巣上体におけるサイトケラチンの発現は、器官の領域や細胞の種類・分化時期で異なることが判明した。興味深いことに、管腔上皮・基底細胞には背の低いドーム型と高いフラスコ型の2つのタイプが区別され、フラスコ型は精巣上体起始部に多数存在した。一方、プロトン分泌関連分子が発現する明細胞は、各領域で異なる分布パターンを示し、精子貯蔵の場となる精巣上体の遠位部や精管に多数存在した。 2)前立腺におけるサイトケラチンの発現は、前立腺の分化時期、領域あるいは細胞種で異なることが判明した。また精巣上体と同様に、前立腺上皮の基底細胞には背の低いドーム型と高いフラスコ型が区別された。これらの結果から、ある種のサイトケラチン分子は精巣上体や前立腺の分化マーカーとして有効であること、また各分子の発現は細胞の生理機能に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一定の研究成果をあげ、学会発表および論文発表を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
目標達成に向けて研究計画を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費と旅費の1部を他財源で補填したため。 繰越金は次年度分と合わせて効率的に使用する。
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