2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460300
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
黒田 有希子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70455343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨形成 / 糖鎖修飾 / 骨吸収窩 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 糖タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常な骨の形成には新しく形成される骨の場所が厳密に制御されていることが重要である。一般的に、骨を維持するリモデリング期の骨形成は骨吸収された場所を埋めるように起きる。一方、発生・成長の過程や骨粗鬆症などの病態では、骨形成を誘導しない骨吸収も存在する。すなわち、「骨形成を促す吸収窩」と「骨形成を促さない吸収窩」があると考えられる。骨リモデリングの際に新たな骨形成が促される場である骨吸収窩は糖タンパク質が豊富に存在することが報告されているが、その糖タンパク質に注目した研究はあまり行なわれていない。そこで本研究では、骨吸収窩の糖タンパク質に注目し、「骨形成を促す骨吸収窩を骨芽細胞に認識させる」機能を持つ新たな分子を同定することを目的とした。 一・二年目には成熟破骨細胞から分泌された糖タンパク質を特異的に認識するレクチン(糖鎖結合タンパク質)を見出し、このレクチンを「新規骨吸収窩認識レクチン」とし、これを用いて骨吸収窩の糖タンパク質の同定を行なった。新規骨吸収窩認識レクチンに結合する糖タンパク質のうち、最も主要なタンパク質をMALDI-TOFMS(質量分析装置)を用いて同定した結果、MMP-9であることが明らかとなった。さらに、骨吸収窩付近における骨芽細胞の動きを観察・解析するために、骨吸収窩の標識、骨芽細胞の可視化、観察方法の検討を行った。最終年度には骨吸収窩付近における骨芽細胞の動きを観察する解析方法を確立後、実験系に新規骨吸収窩認識レクチンや抗MMP-9抗体を添加し、骨芽細胞の動きの変化を調べた。いずれの処理に関しても骨芽細胞の接着に大きな影響がみられ、動きの観察をするには至らなかった。今後は骨芽細胞の接着に関する問題を除くため、骨吸収窩を作る骨片に関して素材やコーティング等の検討を行なった後、本研究で同定した糖タンパク質が骨芽細胞の動きに与える影響を解析したいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Osteogenic capillaries orchestrate growth plate-independent ossification of the malleus2015
Author(s)
Matsuo K, Kuroda Y, Nango N, Shimoda K, Kubota Y, Ema M, Bakiri L, Wagner EF, Takeda Y, Yashiro W, Momose A
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Journal Title
Development
Volume: 142
Pages: 3912-20
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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