2013 Fiscal Year Research-status Report
一酸化窒素によるカルシウム放出機構の骨格筋における機能的意義
Project/Area Number |
25460303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山澤 徳志子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00282616)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リアノジン受容体 / カルシウム / 骨格筋 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)によるCa上昇は、細胞内小胞体にあるリアノジン受容体を介するCa放出機構(NICR)によるものであり、これが神経細胞死に関与していることを明らかにした。本研究では、神経細胞と同様に神経型NO合成酵素とリアノジン受容体が共発現している骨格筋において、NOによるCa放出機構の生理的および病態生理的意義を解明する。 H25年度は、CaによるCa放出機構(CICR)が亢進している悪性高熱症発症患者のリアノジン受容体遺伝子変異におけるカルシウムシグナル機能の解析法を確立した。野生型リアノジン受容体から10種類の悪性高熱症発症患者変異遺伝子を作成してヒト胎児由来腎臓細胞を用いて安定発現細胞株を作成した。悪性高熱症変異にはCICR活性およびNICR活性が亢進する機能的変異とCICR活性およびNICR活性には影響を与えない変異があることが明らかになった。いくつかの悪性高熱症変異は野生型に比べて静止時のCa濃度が上昇したことより、リアノジン受容体のチャネル構造に影響を与え小胞体からカルシウムが漏れやすくなっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪性高熱症発症患者のリアノジン受容体遺伝子変異におけるNOによるCa放出機構の研究は、論文投稿の可能性がある状態になので、できるだけ早急に論文投稿に向けて進める。
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Strategy for Future Research Activity |
カルシウムシグナル機能解析結果を踏まえて、細胞内Ca濃度およびを小胞体内腔Ca濃度を測定して野生型と悪性高熱症発症患者の変異体とで比較して解析する。 カルシウムシグナル亢進のメカニズムとしてリアノジン受容体チャネル構造の変化が考えられるので、カルシウムシグナル機能解析から得られた結果に分子動力学を用いたシュミレーション解析を加えて機能的変異を同定する。 できるだけ早急に論文投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表のための旅費は別の研究費で支出した。 細胞内Ca濃度と小胞体内腔Ca濃度の同時測定を行うため、励起波長が複数必要になる。このため、波長に合わせた蛍光フィルターを購入する。学会発表における国内旅費として支出する。また、論文作成の最終段階なので、英文校閲料に使用する。
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[Presentation] Functional analysis of ryanodine receptor carrying malignant hyperthermia associated mutations.
Author(s)
Yamazawa T, Murayama T, Oyamada H, Suzuki J, Kanemaru K, Kurebayashi N, Oguch K, Sakurai T, Takemori S, Iino M.
Organizer
58th Biophysical society annual meeting
Place of Presentation
SanFrancisco, USA
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