2014 Fiscal Year Research-status Report
容積感受性アニオンチャネル活性における細胞内ATP要求性の分子的機構の解明
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25460304
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
赤塚 結子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (90321611)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ABCF2 / アクチニン-4 / ATP結合能 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生型及びATP結合部位に点突然変異を導入した変異型ABCF2(G232D及びG520D)の間で、アクチニン-4への結合能力と、ATPに対する結合能力に差があるかを定量的に検討した。 ATPに対する結合能力の違いが、アクチニン-4への結合能力に影響している可能性が示唆されたので、同じ時に調整した膜分画を用いて両結合実験を行うべきであると判断した。前年度までは、低浸透圧刺激を加えた各ABCF2発現細胞から膜分画を抽出し、抗体を用いたアフィニティー精製によってABCF2を単離していたが、アフィニティーゲルから酸を用いて分離することによる3次元構造の変化によるものと考えられるATPへの結合力の顕著な低下が認められたため、ABCF2のアフィニティー精製は行わず、各ABCF2発現細胞から調整した膜分画を界面活性剤で可溶化した抽出液を、アクチニン-4が結合したM2アガロースもしくは、ATPアガロースへapplyする方法に変更した。
各抗体によって検出されたバンドのインテンシティを測り、数値化した結果、界面活性剤可溶の膜分画において、アクチニン-4に結合するG232D量は野生型ABCF2とほとんど変わらなかったが、界面活性剤不溶の膜分画においては野生型ABCF2よりも多くのG232Dがアクチニン-4と結合する傾向にあった。一方、G520Dは界面活性剤可溶・不溶の膜分画において、野生型よりも強いアクチニン-4への結合力が見られた(有意差あり)。さらにG520Dは界面活性剤可溶・不溶の膜分画においてATPへの結合能力が野生型よりも強いことが分かった(10分間のインキュベーションで有意差あり)。それに対してG232Dは、界面活性剤不溶の膜分画において、今のところ10分間のインキュベーションという条件でのみ有意差が出ている。
以上の結果より、点突然変異型ABCF2のアクチニン-4への結合能力は、それらのATP結合能力と相関すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ATP結合実験を行うための膜分画の調整方法の検討に若干時間をとられたが、ほぼ予定通りに実験結果を得られている。あとは、有意差が出るかどうかの判断のためにもう少し実験例を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
容積感受性外向整流性アニオンチャネル活性化における細胞内ATPの役割を解明する上で、ATPに結合することによってABCF2がアクチニン-4に結合しやすくなるという結果が得られつつあるので、今後はこの成果をまとめていきたい。 また、申請者がこれまで予想していた通り、G520Dは容積感受性外向整流性アニオンチャネルから非常に離れやすいことが示唆されたので、平成27年度は野生型とG520Dに対する結合タンパク質を比較することによって容積調節を司る新たなタンパク質の探索を行いたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度はATP結合実験の予備実験及び本実験を多数回行ったため、助成金をすべて消耗品として使い、高価なATPアガロースを大量に購入した。その甲斐があって良好な実験結果を得ることができたが、年度後半になって、細胞培養用の血清のストックがなくなり、平成27年度にまとめ買いをしなければならない状況になったため、平成26年度の残額134,038円を平成27年度に使おうと考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、本研究の最終年度であり、成果発表を目指して仕上げの実験を行うため、すべての予算を使う。
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