2014 Fiscal Year Research-status Report
GnRHニューロンにおいてGABAが興奮性である機能的意義の解明
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25460312
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| Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
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Principal Investigator |
渡部 美穂 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10399321)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | GnRHニューロン / KCC2 / GABA / クロライド / 生殖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
脳内の主要な抑制性伝達物質であるGABAが興奮性に作用するという生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンに特有な性質に注目し、独自に作成したGnRHニューロンへのGABA入力を特定の時期に興奮性から抑制性に可逆的に変化させることができる遺伝子改変マウス(GnRH-tTA::KCC2-tetOマウス)を用いて、GABA興奮性入力の役割について解析を行った。これまでに、GABA入力を抑制性に変化させることで、排卵を引き起こす黄体形成ホルモン(LH)の分泌が減少し、性周期が乱れ、妊娠が認められないことを確認しており、本年度も例数を増やすことで結果が信頼できるものになった。また、卵胞成熟に関わる通常のGnRH分泌量への影響を調べるために、視床下部スライス標本を作成し、2時間培養して細胞外液へのGnRH分泌量をRIAにより測定したが、差は認められなかった。通常のLH 分泌量への影響を調べるために、血中LH量をEIAにより測定したが、検出限界以下であった。さらに、個体レベルでみられた生殖機能の変化を引き起こすGnRHニューロンの細胞生理学的な変化を明らかにするために、GnRH-tTA::KCC2-tetOマウスとtetO-ChR2(C128S)-EYFPノックインマウスをかけあわせ、GnRHニューロンの可視化を行い、視床下部スライス標本を作成し、EYFP蛍光を指標に同定したGnRHニューロンからloose patch clamp法により記録を行った。GABAA受容体のアゴニストであるmuscimolを作用させるとGnRHニューロンの自発発火の増加がみられたが、GABA入力を抑制性に変化させるとmuscimolにより自発発火が抑制された。よって、GABA入力を抑制性に変化させることにより、GnRHニューロンの活動性が低下し、生殖機能に影響がみられた可能性が示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GnRH-tTA::KCC2-tetOマウスを用いてGnRHニューロンへのGABA入力を興奮性から抑制性に変化させると生殖機能に影響がみられることが、例数を増やすことで信頼ができるものになった。また、GnRHニューロンへのGABA入力を興奮性から抑制性に変化させた時のGnRHニューロンの細胞生理学的な変化の解析を行うことが出来た。
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| Strategy for Future Research Activity |
思春期開始時期におけるGABA興奮性作用の役割について明らかにするために、GnRH-tTA::KCC2-tetOマウスを用いて、生後すぐにGnRHニューロンへのGABA入力を興奮性から抑制性に変化させ、思春期開始時期に影響がみられるか、膣開口、性周期の出現時期をみることにより調べる。また、GnRHニューロンのみでジフテリア毒素を発現する遺伝子改変マウス(GnRHtTA::tetO-DTAマウス)を作成し、このマウスではジフテリア毒素が作り出されたGnRHニューロンのみが細胞死により除去されるが、ジフテリア毒素の発現時期を制御し、GnRHニューロンを段階的に死滅させ、正常時の何%のGnRHニューロンが死滅した時にLH大量分泌やパルス状分泌および性周期に影響がみられるか、同一個体で経時的に調べ、GnRHの分泌基盤を明らかにする。
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| Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスの繁殖に時間がかかり、予定より飼育マウス数が少なくなったため、飼料代の一部が次年度使用になった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物飼料、ジェノタイピング試薬、RIA試薬、抗体などの消耗品、成果発表のための学会参加の旅費、論文投稿料に使用予定である。
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Research Products
(5 results)
