2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460321
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷 都 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20450611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 篤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10442716)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海馬 / 妊娠 / 出産 / 子育て / AMPA受容体 / 学習 / 記憶 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、妊娠、出産、子育て後の学習機能の向上は、AMPA受容体のサブユニットの構成の変化によるシナプスの伝達効率の変化が関与する、という本研究全体の仮説を検証する。妊娠、出産、子育ての経験をしている経産ラットは、未経産ラットと比較してAMPA受容体サブユニットの構成に相違があった。経産ラットの海馬には、有意にGluR2の発現が上昇していた。また海馬サンプルにおける、パッチクランプ法にて得た結果では、飽和試験にて経産ラットは、未経産ラットと比較してY迷路テストにおける空間学習にて良好な成績であったのは、海馬内の神経およびシナプスの形態変化によるものではない可能性が明らかとなった。また、海馬内のシナプスの機能の変化(シナプスの伝達効率の変化)に着目して、電気生理学的、生化学的手法を用いて解析を行った。経産ラットは、未経産ラットと比較してAMPA受容体サブユニットGluR2の発現が多く、AMPA受容体を多く移行させることを、海馬CA1の単一細胞におけるパッチクランプ法およびウェスタンブロッド法を用いて明らかにしている。その詳細なメカニズムを明らかにするために、*iTRAQ法(Ross et al., 2004)を用いて海馬内タンパク質の存在量を網羅的に比較したところ、14-3-3proteinが、未経産ラットと比較し経産ラット海馬内で有意に増加していることが分った。14-3-3proteinには7種のisomerが存在し、どのisomerが多く発現しているのかを検討しているところである。
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