2014 Fiscal Year Research-status Report
発熱時の脳内プロスタグランジンE2可視化によるその産生機構解明
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25460322
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 紀久子 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (90211672)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロスタグランジン / 発熱 / 脳出血 / 血管内皮 / 血小板 / COX-1 / mPGES-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【脳出血における脳内PGE2の増加】マウス脳出血発熱モデルで脳内PGE2の測定をした。視床下部にコラゲナーゼを投与し、3時間後にペントバルビタールで麻酔した。左心室から30μMインドメタシンを含む生理食塩水を潅流し、脳を凍結保存した。出血領域を含む凍結脳組切片からエタノールでPGE2を抽出し、EIA法で測定した。対照群(生理食塩水投与、脳出血なし)と比較して、脳出血の起こっている組織では、PGE2含有量が有意に増加した。また、免疫組織化学により脳出血領域ではCOX-1陽性構造が、脳出血領域の周辺部ではCOX-2陽性構造が確認された。von-Willebrand factorとの2重染色と形状により、COX-1陽性構造は凝集した血小板、COX-2陽性構造は血管内皮細胞であることが示された。また、mPGES1-KOマウスでは、脳出血によるPGE2の増加が有意に低下した。脳出血時のPGE2産生に、mPGES-1が関与していることが示された。 【脳出血モデルでの脳内PGE2の可視化】 脳出血領域を含む凍結脳切片を作製した。この状態の切片でPGE2が増加していることは、上記実験により確認できた。切片から固定液へのPGE2の流出を防ぐため、凍結切片の気相固定を行った。気相固定として、ホルマリン原液、またはカルボジミド溶液を底に配置したデシケータにスライドガラスに貼り付けた脳切片を置いた。減圧と加温により固定剤の気化を促した。その後、抗PGE2抗体により脳出血領域でPGE2の検出を行った。これまでのところ、明確なPGE2陽性構造は検出できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PGE2の免疫組織化学による可視化がまだ達成されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
PGE2免疫組織のための条件検討を綿密に行う。
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Causes of Carryover |
PGE2の免疫組織化学が完了しなかったため、ノックアウトマウスを用いた実験が遅れた。そのためノックアウトマウスの購入が予定額以下となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金はほぼ全額マウスの購入に充てる。
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