2015 Fiscal Year Research-status Report
発熱時の脳内プロスタグランジンE2可視化によるその産生機構解明
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25460322
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 紀久子 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (90211672)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳出血 / 発熱 / プロスタグランジン / 体温調節中枢 |
Outline of Annual Research Achievements |
【脳出血性発熱におけるmicrosomal prostaglandin E synthase1(mPGES1)の関与】 昨年度までの研究により、脳出血時の脳内プロスタグランジンE2(PGE2)の増加には、mPGES1が主たる役割を果たしていることを明らかにした。今年度はmPGES1の発熱への寄与を明らかにするため、野生型マウスとmPGES1欠損マウスで脳出血による発熱の強度を比較した。コラゲナーゼを体温調節中枢のある視索前野に微量投与して脳出血を起こすと、体温が上昇し3時間で最大値に達する。発熱の指標として0-3時間の体温上昇の積分値(Fever Index(FI))を求めた。野生型マウス(n=13)とmPGES1欠損マウス(n=15)でFIを比較した結果、mPGES1欠損マウスでFIが50%低下し、この低下は有意であった(p<0.05)。一方、mPGES1欠損により脳出血時のPGE2増加はほぼ完全に抑制された(p<0.001)。この点をさらに検討するため、脳出血の部位・体積とFIの関係を両群のマウスで比較した。その結果、出血による視索前野の損傷が小さい場合には、mPGES1欠損マウスでは発熱は起こらず、野生型マウスでは発熱が見られた。一方、視索前野の損傷が大きい場合には、両群のマウスで発熱が見られた。以上の結果から、①脳出血時の発熱にはPGE2依存性の部分と、PGE2非依存性の部分がある、②前者にはmPGES1が主たる役割をはたしている、③後者は体温調節中枢の損傷によること、が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PGE2の免疫組織化学による可視化が未達成である。
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Strategy for Future Research Activity |
PGE2の新たな抗体を購入し、さまざまな固定法を用いて可視化を試みる。
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Causes of Carryover |
PGE2の免疫組織化学による可視化が未達成で、さらなる検討を要するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にPGE2の免疫組織化学に必要な試薬、動物の購入にあてる。
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Research Products
(4 results)