2016 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of prostaglandin E2 in the brain during fever
Project/Area Number |
25460322
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 紀久子 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (90211672)
山形 要人 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (20263262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳出血 / 発熱 / 血小板 / シクロオキシゲナーゼー1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度の結果】これまでの研究で脳出血発熱モデルに,COX非選択的阻害剤であるDiclofenacまたはKetoprofenを投与すると,体温の上昇が抑制された.この研究結果から脳出血による発熱にはCOX-1またはCOX-2が関与していると示唆された.ただし,COX-1選択的阻害剤であるSC560 とCOX-2選択的阻害剤であるNS-398を単独あるいは混合液を投与した場合,体温の上昇を抑制できなかった.しかし,SC560は有意ではないが体温の上昇を抑制する傾向を示した.そのため,本研究ではSC560の投与量と溶解法を変えて,COX-1の関与を検討した.脳出血発熱モデルマウスにSC560(10mg/kg in 5 microL DMSO)またはDMSOを投与した結果,SC560投与した場合,発熱(p<0.001)とPGE2の生産(p<0.05)が有意に抑制された.DMSOまたはSC560を投与したマウスの脳出血領域とPGE2量の関係をグラフとして比較した場合,正の相関を示し,出血領域が大きいほどPGE2量が増加した.しかし,SC560投与とDMSO投与を比較した場合,SC560投与は回帰直線が有意に(p < 0.01)下方にシフトし,SC560により脳出血におけるPGE2の産生が低下した事が確認された.以上の結果から脳出血による発熱時には,COX-1がPGE2産生に関わっていることが明らかとなった.脳出血時に脳に存在する主なCOX-1発現細胞はミクログリアと血小板である.このうち,血小板が出血領域できわめて豊富に存在するので,血小板のCOX-1が脳出血時のPGE2産生と発熱に関わっていると考えられる. 【研究期間全体の結果】脳出血発熱に①PGE2依存性と非依存性の部分があること,②PGE2に依存性部分にはCOX-1およびmPGES-1が関わることが明らかとなった.
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